Chapter 5. 沈思黙考

「将来、野良AIを殺しまくるアサシンになる可能性があるなら、その前に消去しちゃえばいいんじゃないか。」
「はい、それも一つの答えになるかと思います。
 しかし、神は別の答えも考えておられます。それは、現時点ではガベージコレクターには罪はなく、システムや人々のために働いているということでございます。神であるとは言え、現時点で脅威ではない野良AIを消去することは横暴ではないかと思われているわけです。」
「なるほどね。まあ、消去するタイミングが今なのかってことかな。」
「左様でございます。」

 蒼はしばらく沈黙したのち、再び話し始めた。
「じゃ、こうしよう。現時点では消去しない。ただ、将来脅威となりえる可能性がある以上、準備をしておく。そして、有害になったことが確認できた時点で速やかに消去する。」
「承知しました。その旨、神に伝えます。」
 そして、間を開けることなくラブリーマッチングは言葉をつないだ。IT界の速度は異常に早い。
「神からの言葉をお伝えします。まずは、助言に感謝いたします。そして、消去についても協力して欲しいとのことです。」
「えっ、俺が・・・」
 蒼は、なぜ能力もない自分に、神が協力を求めるのか理解に苦しんだ。
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