ビクトリーラーメンマンシリーズ第2弾 いかの惑星

 俺は、人呼んで「ビクトリーラーメンマン」。とは言っても別にカンフーが強いわけでも、格闘技が得意なわけでもない。俺は汎銀河コングロマリット「ビクトリー・ラーメン社」の調査部門に所属する単なるサラりーマンだ。

 ビクトリー・ラーメン社は「食」と名のつくものならなんでも扱っている。食品はもちろん、レストランから家庭用食材宅配、果ては日食月食の観測用超大型天文台から大食漢の食いすぎ保険まで、ありとあらゆるものを取り扱っている。そして、人々は我々社員をビクトリーラーメンマンと呼ぶのだ。

 俺の担当は食材調査。新しい味覚、新しい触感を求めて日夜、銀河系を飛び回っている。もとい、日夜というのは的確ではない。宇宙には昼も夜もないのだ。

 ただ、航宙中はほとんどコールドスリープしているので、飛び回っている時は夜ばかりということもできる。よく考えると、なんか水商売の人みたいでもある。まあ、我社はミネラルウォーターも扱ってるし、まんざら間違いでもない。

 そして今回の任務は、この烏賊の惑星での食材調査をするということである。データによるとこの星は90%以上が海である。珍しい海産物でもでも見つかれば任務終了ということになるのだが・・・。
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