N博士のドラゴン討伐

N博士のドラゴン討伐
                          -修.

 「N博士がお呼びとは珍しいですね。何かあったのですか。」
 投資家のエージェントはN博士に呼び出されて、N博士のラボを訪れていた。N博士は重力制御の権威であり、そして千年に一度の天才と言われていた。そして最近、遂に重力制御を完成させ、投資家に大きなリターンを与えることができた。その結果、投資家は更なるリターンを期待して、新しいラボと潤沢な研究費を与えていた。エージェントは定期的にN博士のもとを訪問して、新たな研究成果がないか確かめていたが、今回は初めてN博士側から呼び出されたのだ。

 「実は大きな失敗をしてしまってな・・・」
 エージェントはN博士の失敗には慣れっこになっていた。N博士は、小さな失敗は日常茶飯事で、時に莫大な損害を発生させるような失敗をすることもあるが、それを斟酌しても余りある十分な成果を上げていた。
 「いったいどうしたんですか?」
 「2ヶ月ほど前のことだ。ワープの実験をしていたのだが、設定のミスでワープ装置の出口が異世界につながってしまったようなのだ。」
 「異世界ですか・・・」
 「うむ、異世界というか、異次元空間というか、並行宇宙というか・・・。まずはこれを見てくれ。」
 N博士は机の上のモニターを指示した。そこには緑色のうろこに覆われた胴体のようなものが左から右に動いていく映像が映っていた。
 「これは何ですか?」
 「これはラボの内部を常時撮影しているカメラの映像だ。何か生物のようなものが移動しているように見えるだろう。これでは一部分しか見えないので、コンピューター解析で全体像を合成したものがこれだ。」
 N博士がコンソールを操作すると画面が切り替わった。
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