ファイナリスト

ファイナリスト
                      -修.

 第23小隊を乗せた掃海艇はプレアヌス系第2惑星へ向かっていた。船長でもある小隊長は、手狭なブリッジに部下を集めてブリーフィングを始めた。
 「今回の我々の任務について説明する。知っているかと思うが、第2惑星は鉱物資源の豊富な惑星だが、10年前にアジリア星からの侵略を受けて交戦状態になった。戦争は3年前に終わり、その後戦後処理に入った。その戦後処理も数ヶ月前に完了した。そこで我々は最後の仕上げをすることになった。これが今回の任務だ。」
 部下の一人が質問を入れた。
 「戦後処理をやっている人たちが居るのなら、その人たちが最後の仕上げもやってくれて良さそうなものですが、なぜ我々が出向く必要があるのでしょうか。」
 「疑問に思うのはもっともだな。少し順を追って説明しよう。まずは10年前、豊富な鉱物資源を狙ってアジリア星が第2惑星に自律型戦闘ロボット約50機を投下した。我が軍はこれを検知し、鉱山技師など住人全員が直ちに宇宙へ避難した。そして、避難が完了した時点で、鉱山の防衛用に準備していた我が軍の自律型戦闘ロボットを起動したのだ。」
 「ということは、今は星には誰もいないということですか。」
 「そうだ。無人となった第2惑星でロボット同士の代理戦争が始まったのだ。そして、3年前に我が軍が勝利した。我が軍も苦戦して、最初は80機ほどいたロボットが20機程度まで減ってしまった。」
 「3年前に我が軍が勝利したのなら、それで終わりですよね。戦後処理って何なのですか。」
 「ここからは軍事秘密なので他言無用だが、我が軍のロボットは敵をせん滅した時点で、味方同士で戦いを始めるのだ。」
 「え、どういうことですか。」
 「うむ・・・。君たちは昔地球で使われていた地雷というものを知っていると思う。戦争が終わった後も地雷が残っていると、戦後の復興の際、民間人が爆発に巻き込まれてしまうことがあるだろう。それと同じで、自律型戦闘ロボットが残っていると誤って民間人を攻撃して、復興の妨げになる危険性があるのだ。このため、最後の1機になるまでロボット同士が戦うようプログラムされている。」
 「え、そんなことしなくても、停止コマンドを送ればいいだけなのではないですか、もったいない・・・」
 「そうだな。しかし、そのコマンドを敵が知ったらどうなる。ロボットが停止させられて戦争に負けてしまうだろう。だから、我が軍のロボットは一旦起動すると停止することができなくなっている。ロボットは識別ビーコンを出しているので、敵味方を識別できる。それで最初は敵を攻撃し、敵がいなくなったことを検知すると無差別攻撃を始める。それが最後の1機になるまで続くということだ。仮に敵が我が軍の識別ビーコンを出して偽装していたとしても、結果的にはせん滅されることになる。」
 「そして最後に残った1機を我々が壊すということですか。」
 「そうだ。ロボットの兵装は、小型ミサイル10基、ニードルレーザーガン、機銃1門だが、もうミサイルや機銃の弾は残っていないだろう。何より10年前の装備だから我々の装備よりかなり性能は劣っている。しかし、最後まで勝ち残ったロボットなので気を引き締めて任務に当たってくれ。」
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