ビクトリーラーメンマンシリーズ第9弾 海洋宇宙船

 第4惑星の宇宙港に着陸すると、すぐさま赤銅色に焼けた大柄な男性に出迎えられた。
 「食材調査担当の甲斐さんだね。ようこそ、いらっしゃいました。海洋宇宙船『ネプチューン』号の船長、兼、海洋調査二部の部長をしています本郷です。よろしくお願いします。早速船に案内しよう。」
 船長はプラットフォームを大股で歩いて、甲斐を2つほど先の駐機場へと案内した。そこには、甲斐が見たことのない形の宇宙船が留めてあった。大きさは100mほど、全体的には紡錘形で、下部の少し奥まったところに2基のロケットノズルが見えている。そしてそこには可動式のカバーがついており、完全に海水をシャットアウトすることができるようだ。そして2つのノズルの間にはスクリューと舵が付いている。まさに漁船と宇宙船が合体したような形状だった。
 そして船体の上部には、左舷、右舷にそれぞれ1枚、後部に1枚、巨大なフラップが開いており、そこには漁をするためと思われるデッキが現れている。おそらく宙航時はフラップを閉じるのだろう。
 「甲斐さん、なかなかすごいだろ。」
 「はい、びっくりしました。初めて見ました。これで、第3惑星に降りて漁をするんですね。」
 甲斐は、我ながらあまりにも当たり前のコメントだと後悔したが、船の異様さに他には何も思い浮かばなかった。
 「ここまで特殊な形にしないと第3惑星では漁ができないのだ。逆に言うと、うちくらいの資本がないと第3惑星の水産業には参入できないということだな。」
 「なるほど。」
 「早速、第3惑星に出発しよう。」

 第3惑星までは半日ほどの宙航だった。そして海洋宇宙船は、ロケットノズルのカバーを閉じ、重力制御装置で静かに着水した。その後、船体上部のフラップを開いて漁を始めた。
 「今日は大陸棚で底引き網漁をする。あー、昔はこの星にも大陸があったようだが、数百億年の間に波に侵食されてすべてが海にのみ込まれたらしいのだ。」
 本郷船長はデッキのウインチを操作しながら甲斐に説明してくれた。
 「本船の中央には巨大な冷凍保管庫がある。今は試験的な漁だが、取った魚は急速冷凍して第4惑星で売っている。結構儲かっているのだ。今日もいっぱい取れるといいんだが・・。」
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