究極と呼ばれたコンピューター
眠そうに横腹をぼりぼり掻きながら、親父は最後の言葉を言い終わる前にすでに本の壁のどこかへ消えて行ってしまった。相変わらずここは不気味な研究室であった。そして親父はその主なのだ。
コンピューターは北向きの窓際に本棚に埋もれて据えられていた。前評判のせいだろうか、なんとなく光り輝いて見えた。しかし究極というほどのものでもないようだ。と、ぼうっと眺めていた俺にコンピューターがいきなり話しかけてきた。
「毎度お世話になっております。私は究極のコンピューターNATSU-9000です。なんなりとご質問をどうぞ。」
さすがに究極と自負するだけのことはある。よくできているようである。俺はT101番教室で渡された問題を無造作に読み上げた。
「int {x} (Ps + ζs) = div sum from {p} {ζ ds}」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
しばし時が流れた。俺はセミの声を聴きながら窓の外の木々を眺めた。
コンピューターは北向きの窓際に本棚に埋もれて据えられていた。前評判のせいだろうか、なんとなく光り輝いて見えた。しかし究極というほどのものでもないようだ。と、ぼうっと眺めていた俺にコンピューターがいきなり話しかけてきた。
「毎度お世話になっております。私は究極のコンピューターNATSU-9000です。なんなりとご質問をどうぞ。」
さすがに究極と自負するだけのことはある。よくできているようである。俺はT101番教室で渡された問題を無造作に読み上げた。
「int {x} (Ps + ζs) = div sum from {p} {ζ ds}」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
しばし時が流れた。俺はセミの声を聴きながら窓の外の木々を眺めた。