N博士のNダッシュ

 「左様。まあ、それが目的だからな。数日前に完成したので、ワープの課題、例えば出現座標のずれが起こる原因と対策とか、出現座標に小惑星のような物質があった場合の衝突回避策とか、いろいろな課題の研究を開始させたのだ。」
 「すごいですね。じゃあ、Nダッシュが研究を手伝ってくれて、ワープが実現する日も遠くないということになるんですかね。」
 「うむ、まあ、それはそうなんだが・・・」
 エージェントはN博士が少し言いよどんだところが気になった。
 「何か問題があるんですか。」
 「実はな、Nダッシュの研究記録をときどき確認するようにしているんだが、課題を多く与えすぎたせいか、Nダッシュが自分の処理能力を超えたと判断したようで、課題そっちのけで、自分をサポートするロボットの研究を開始したようなのだ。まぁ、言わば『Nツーダッシュ』だな。」
 「N博士と同じ考え方ということですかね・・・」
 エージェントは、投資家に対しては、N博士はワープの研究に取り組んではいるが、完成のめどは立っていない、と報告しておこうと決めた。

おしまい
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