パッション No.9 掲載

　　　ビクトリーラーメンマンシリーズ第１弾　誕生

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－修．

　必要最低限の操縦設備と、おせじにも快適とはとても言いがたい生存装置を積んだ調査船の居住空間はあまりにも狭過ぎるものであった。この調査船の唯一の乗組員であるパイロットは操縦を自動に切り替えた後、操縦席から異常に狭いベッドへと１m足らずの距離を、体をよじりながら移動した。空間的余裕をいうものをまったく持ち合わせていない調査船はすでに三日あまりの工程をこなしており、パイロットはすでに疲労の色を示し始めていた。

　ベッドへ転がり込んだパイロットはベッドのわきに備え付けられた、引き出しの安全装置を解除し、そして引き出しを慎重に引っ張り出した。引き出しはギギギーっと安っぽい音を立てて開いた。

　パイロットは完全に開け放たれた引き出しを覗き込み、一人つぶやいた。「さて今日はどうやって食べようか。いくら好物とはいえ、同じものを３日も食べ続けるといい加減いやになってくるものだな。」