駅前不動尊

駅前不動尊
                          -修.

 「乾杯!リン、久しぶりだねー。今日は話を聞いてくれる。」
 「アオイ、乾杯草々何よ。まあ、会社の愚痴でも、恋バナでもなんでも聞くわよ。」
 二人は同じ会社に勤めるOLである。二人とも年齢は20代半ばで、今日は久しぶりに飲もうかということになり、仕事帰りにこじゃれたイタリアンで食事会をすることにしたのだ。アオイは、ワインを一口飲んだ後、アペタイザーのオリーブをつまみながら話し出した。
 「実はさー、最近視線が気になっちゃって・・・」
 「え、職場に男でもできた?」
 「いやいや、通勤とか、外を歩いていると、なんか視線を感じるんだよね。」
 「ん、ストーカーってこと?キモーい。」
 「うん、最初はそうかなと思って、ときどき振り返ったり、きょろきょろしたりするんだけど、別に誰もいないのよ。」
 「ふーん、なんだろうね。アオイ、最近、仕事に疲れてるんじゃない?それとも、もしかして宗教とか始めた?」
 「いたって健康よ。最近、ヨガ教室に通うようになったし・・・」
 「そうなんだー」
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