エレベーターダンジョン

 その結果、奇数階は1階と同じようだが扉の数の異なるエレベーターホール、2階は草原、4階はジャングルだった。しかし、8階は少し様子が違っており、ホテルの宿泊フロアのように廊下の左右に扉が並んでいた。共通して言えることは、どの階にも人影が全くないということだ。

 砂漠やジャングルでエレベーターから出たとしても、どこに行けばいいのか分からないし、再びエレベーターに乗ろうとしても、エレベーターが来るまでどのくらい待たされるか分からない。あるいは二度と戻ってこないかもしれない、こう考えると8階が最も現実的に思えて、まずは8階フロアを探索することにした。
 中央の廊下の先には非常出口があり、俺は外に出られることを期待しつつ出口のノブを回してみた。しかし、予想通りロックされていた。そう簡単に外には出してくれないらしい。

 次に客室のような扉の1つを試しに開けてみると、ロックはされておらず、すんなり部屋に入ることができた。そこは、まるでビジネスホテルの1室であった。俺は真っ先に電話機でフロントを呼び出そうとしたが、電話機はうんともすんとも言わなかった。また、部屋には窓があったが、外は霧が立ち込めているように視界が全く効かなかった。部屋には、ベッド、ユニットバス、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機があるだけでなく、さらに水、冷凍食品やレーション(戦闘糧食)まで用意されており、至れり尽くせりと言えた。これで、ネットとテレビでもあれば、ここで暮らすことも可能だろう。誰が作ったのか、自然にできたのかは知らないが、この迷路みたいな世界の中で飢え死にすることはなさそうだ。逆に言えば、1日や2日で元の世界に戻ることはできないということなのだろう。
 「これは腹を括って攻略するしかなさそうだな。」
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