エレベーターダンジョン
エレベーターダンジョン
-修.
俺が勤務する設計事務所は8階建ての雑居ビルの6階にある。築30年は経っているであろうか、タイル張りの外観自体が古さを感じさせるが、中もあちらこちら塗装が剥げ、コンクリートがむき出しになっている。ビルが古い分、賃料が安いため、ほとんどのフロアにはうちのような零細企業が入居している。
俺は1階のエントランスのスモークガラスの自動ドアを通り、エレベーターの前の守衛室に軽く会釈をした後、エレベーターの上りボタンを押した。今日は月末なので残業になるだろう。守衛に顔を売っておくと、徹夜となった時に色々と便宜を図ってくれる。俺はすぐに来たエレベーターに乗り込み、階数表示が1つずつ増えていくのをぼんやり眺めながら仕事の段取りを考えていた。
間もなくエレベーターが6階に達し、扉が開いた。そして俺は、扉ごしに見える正面の光景に唖然とした。
「砂漠・・・」
人間、あまりに突拍子のない事態に遭遇すると脳がフリーズするらしい。本来なら設計事務所の殺風景な扉が見えるはずだった。扉は壁を少し後退させて設けられており、扉の横には入退室用のカードリーダーと、呼び出し用の内線電話機が置いてあるカウンターがあるはず・・・だった。しかし、俺の目の前にはビルの中とは思えない広大な砂漠が広がっていた。
「砂漠だな・・・」
-修.
俺が勤務する設計事務所は8階建ての雑居ビルの6階にある。築30年は経っているであろうか、タイル張りの外観自体が古さを感じさせるが、中もあちらこちら塗装が剥げ、コンクリートがむき出しになっている。ビルが古い分、賃料が安いため、ほとんどのフロアにはうちのような零細企業が入居している。
俺は1階のエントランスのスモークガラスの自動ドアを通り、エレベーターの前の守衛室に軽く会釈をした後、エレベーターの上りボタンを押した。今日は月末なので残業になるだろう。守衛に顔を売っておくと、徹夜となった時に色々と便宜を図ってくれる。俺はすぐに来たエレベーターに乗り込み、階数表示が1つずつ増えていくのをぼんやり眺めながら仕事の段取りを考えていた。
間もなくエレベーターが6階に達し、扉が開いた。そして俺は、扉ごしに見える正面の光景に唖然とした。
「砂漠・・・」
人間、あまりに突拍子のない事態に遭遇すると脳がフリーズするらしい。本来なら設計事務所の殺風景な扉が見えるはずだった。扉は壁を少し後退させて設けられており、扉の横には入退室用のカードリーダーと、呼び出し用の内線電話機が置いてあるカウンターがあるはず・・・だった。しかし、俺の目の前にはビルの中とは思えない広大な砂漠が広がっていた。
「砂漠だな・・・」
1/6ページ
