【異星人外交官】砂嵐

【異星人外交官】砂嵐
                          -修.

 「所長、発着床が煙ってきました。霧でしょうか。」
 銀河連邦のエージェントとして最初の異星人が地球に来訪して以来、毎年のように次々と異なる異星人が表敬訪問するようになった。このため、地球政府は宇宙港に異星人専門の外交機関を設置した。

 部下から話しかけられた所長は、宇宙船の発着床を映しているディスプレイを見つめた。
 「昼間に霧ということはないだろう。砂ぼこりではないかな。」
 宇宙港は、不慮の事故を想定して、人口密度の低い大陸の外れにあった。数十キロ先には砂漠があり、風向によっては砂ぼこりが飛んでくることもある。
 「そうですね。だとすれば一時的なものでしょうね。」
 「そうだな。」
 所長はいつものことだと見なし、デスクワークに戻った。宇宙港は異星人専用のため、年に数回程度の異星人の来訪時以外はそれほど忙しくはない。もちろん、異星人が来訪すると、音声なのか、電波なのか、何なのか分からない異星人のコミュニケーション手段と、その手段で伝達される言語の理解のために不眠不休で解析を続けなければならなくなる。
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