ビクトリーラーメンマンシリーズ第7弾 スウィーツな・・・

 俺がだいぶ自信をなくし始めていたとき、新たなスウィーツが運ばれてきた。
 「これは・・・。」
 スウィーツはシャルロットケーキだったが、デコレーションが他のスウィーツとは一線を隔していた。それは、生クリームのうねりと湾曲したホワイトチョコの波濤でできた大海原に、飴細工の風が吹き抜け、銀色のアラザシが波しぶきとして随所に散りばめられていた。小さなシャルロットケーキなのだが、デコレーションを見つめているとまるで自分が本物の大海原を目にしているような気分になっていた。

 「ビクトリー・ラーメンさん、早く試食しないと次のが来ますよ。」
 「えっ・・」
 俺は、隣にいた審査員から話しかけられて我に返った。シャルロットケーキが出てきてから数分間デコレーションを見つめ続けていたようだ。
 「これはいったい・・・」
 俺は急いでシャルロットケーキの試食と採点を済ませ、次のスウィーツの採点へと進んでいった。シャルロットケーキはデコレーションの印象が強すぎて味はよく分からないままだった。

 俺はシャルロットケーキが余裕で予選を通過するだろうと予想していたが、結果は予選落ちだった。他の審査委員の評価はそれほど高くなかったということなのだろう。俺はデコレーションがあまりに印象的だったため、決勝戦の始まる前にシャルロットケーキのパティシエに会いに行くことにした。
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