歩く異星人

 そして、新たな異星人がやってきた。いつものように巨大な宇宙船が着陸し、今回タラップを降りてきたのは、全身緑色で8脚の足と4本の腕を持った、まるでカマキリのような虫系の異性人だった。とはいっても、地球側がエージェントロボットで出迎えているように、相手側もロボットなのかもしれない。いずれにしろ、地球を侵略に来るのは、だいたい異様な姿の異星人であり、生理的にはすぐにでも攻撃したくなるところだが、すべての異星人が地球より数千年も数万年も科学技術が進んでおり、その気になれば一瞬のうちに地球を消滅させることができると考えると外観での判断は全く当てにならなかった。

 外交官達は、タラップを降りて発着床に降り立った異星人に注目した。第一声、もちろん音声とは限らないが、どのような手段で会話してくるかを見極めることが会話の第一歩となるからだった。宇宙港には音声マイクはもちろん、電波、磁気、光、重力などあらゆるセンサーや多数のカメラが配置され、異星人が発するメッセージを受け取ることができるようになっていいた。
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