量子力学的むむ
量子コンピューターと量子エンジンが実用化されて宙航も随分楽になった。アステロイドベルトを通る航路とは言え、多くの小惑星とそれらの軌道は登録済であり、量子コンピューターが小惑星にぶつからないよう最適な航路を選んでくれ、強力かつ低燃費の量子エンジンのおかげで機敏に小惑星を回避することも可能となっていた。
ミレニアムイーグル号は順調に宙航し、アステロイドベルトへ入り込んでいった。
「船長、右舷から小惑星接近、前方200mに岩塊・・・。」
量子コンピューターが予め航路を設定していたとは言え、登録されていない小惑星や岩塊は無数にあり、2人はレーダーと目視により、終始回避行動を続けていた。
「回避し続けるのも結構しんどいな。トム、今どのあたりだ。」
「船長、ようやく半分あたりですよ。まだまだです。」
2人がだんだん疲れ始めてきたころ船内に警報が鳴り響いた。
「船長、SOS信号を受信しました。前方、100kmほどです。」
「このくそ忙しいときに・・・。だが、仕方ないな。救助に向かおう。」
SOS信号への対応は何よりも優先することが宙航規約で決められていた。もし、SOS信号を無視した場合、この業界にいられなくなるばかりではなく、へたをすると一生刑務所暮らしになってしまう。2日余りでエウロパに辿り着かなければならないといった言い訳は通じない。
「船長、見えてきました。」
貨物船のディスプレイには、大きな岩塊に2隻の宇宙船が接岸している様子が映し出されていた。
「別の船が先に救助に行ったのか。我々は必要ないかな・・・。」
「船長、まだSOS信号は続いていますよ。1隻はかなり古いもののようですが、もう1隻はこの船と同系の小型貨物船ですね。いや、瓜二つといってもいいかも・・」
「珍しいな。この船と同じ小型貨物船は見たことがないが・・・」
2人が会話をしているうちに小型貨物船は岩塊から離れて飛び去って行った。
「SOS信号が続いているならドッキングしてみるしかないな。」
ミレニアムイーグル号は順調に宙航し、アステロイドベルトへ入り込んでいった。
「船長、右舷から小惑星接近、前方200mに岩塊・・・。」
量子コンピューターが予め航路を設定していたとは言え、登録されていない小惑星や岩塊は無数にあり、2人はレーダーと目視により、終始回避行動を続けていた。
「回避し続けるのも結構しんどいな。トム、今どのあたりだ。」
「船長、ようやく半分あたりですよ。まだまだです。」
2人がだんだん疲れ始めてきたころ船内に警報が鳴り響いた。
「船長、SOS信号を受信しました。前方、100kmほどです。」
「このくそ忙しいときに・・・。だが、仕方ないな。救助に向かおう。」
SOS信号への対応は何よりも優先することが宙航規約で決められていた。もし、SOS信号を無視した場合、この業界にいられなくなるばかりではなく、へたをすると一生刑務所暮らしになってしまう。2日余りでエウロパに辿り着かなければならないといった言い訳は通じない。
「船長、見えてきました。」
貨物船のディスプレイには、大きな岩塊に2隻の宇宙船が接岸している様子が映し出されていた。
「別の船が先に救助に行ったのか。我々は必要ないかな・・・。」
「船長、まだSOS信号は続いていますよ。1隻はかなり古いもののようですが、もう1隻はこの船と同系の小型貨物船ですね。いや、瓜二つといってもいいかも・・」
「珍しいな。この船と同じ小型貨物船は見たことがないが・・・」
2人が会話をしているうちに小型貨物船は岩塊から離れて飛び去って行った。
「SOS信号が続いているならドッキングしてみるしかないな。」