家政婦 No. META 無料キャンペーン

 そして1週間が経過した。その夜も妻は残業で帰ってきていなかった。
 「ご主人様、特別プランの結果が出ましたのでご報告いたします。」
 また、食後のコーヒータイムにミータが口火を切った。

 「奥様の会社の勤怠記録、スマホの位置情報、奥様の会社の周辺のライブカメラなどから情報収集いたしました結果、奥様の帰りが遅い際はどこかに立ち寄られていることがわかりました。」

 「えっ、不倫しているっていうこと?」
 「いえ、今回の調査ではそこまでの確証は得られておりません。どこかに立ち寄っているという事実が分かったのみです。」
 俺は迷わずプランの有償継続を決めた。

 そして1週間後、再びミータから報告があった。
 「ご主人様、わかりました。大変申し上げにくいことですが、当社のデータベースの調査結果から奥様の動向がわかりました。奥様は女性向け性風俗に通っておられました。不倫というかどうか微妙なところです。」
 「俺というものがありながら、別の男とやっていたということか。」
 「いえ、何と言いますか・・・」
 珍しく、ミータが言いよどんだ。

 「金は払っているんだから、ちゃんと報告してくれ。」
 「は、はい。かしこまりました。先ほど当社のデータベースと申し上げましたが、相手は私と同様の当社のロボットでして、女性用ドールと言いますか、奥様の推しのアニメキャラを忠実に再現したシリコン製の外観をもったロボットでして、そこに奥様へのサービス履歴が残っておりまして・・・。」

 俺は、怒りとも、悲しみとも、呆れともつかない感情が同時に訪れ、絶句するしかなかった。

おしまい
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