パンテーラ
沈黙が流れた。目の前には煙が流れているだけである。パンテーラは・・・。パンテーラは消えた。自分の目がまだ信じられなかった。皆同じ思いだったのだろう。誰もしゃべりだそうとはしない。
1分、いや5分か、時が経った。俺たちは長く尾を引くトレーラーのエアブレーキで我に返った。ドアが開き、何人かがやってくる。
「パンテーラは?」
ピアッツァの男が答える。
「消えましたよ。」
「何?」
「消えた、って言ったんですよ。」
「オートサーチで動いていたんだろう。そんならヒートスコープも・・・。」
回りには白い服を着た人々が群がり、残された2台の車を取り囲んでいた。RX-7の男がつぶやいた。
「帰るかい。ホテルまで送ろう。」
俺はうなずき、トレーラーから降ろされた一見普通の車に乗り込んだ。
夜が明けようとしていた。車はあいかわらずのワインディングロードを控えめに流れていく。俺達は言葉を交わそうとしなかった。いったい何が起こったのか?幻想ではなかった。パンテーラは実在した。そして消滅したのだ。どうして?どうやって?しかしわかるはずもなかった。またわかりたくもなかった。何かトリックがあるのかもしれないし、無いのかもしれない。異次元へ行ったのかもしれないし、過去へ戻ったのかもしれない。しかしどうあれ、現実は一つしか無いのだ。
俺は任務に失敗し、報告書を書けない始末。ま、世の中訳の分からんことだらけの中で、ボーナスが水泡に帰すであろうことだけは間違いのないところだった。
1分、いや5分か、時が経った。俺たちは長く尾を引くトレーラーのエアブレーキで我に返った。ドアが開き、何人かがやってくる。
「パンテーラは?」
ピアッツァの男が答える。
「消えましたよ。」
「何?」
「消えた、って言ったんですよ。」
「オートサーチで動いていたんだろう。そんならヒートスコープも・・・。」
回りには白い服を着た人々が群がり、残された2台の車を取り囲んでいた。RX-7の男がつぶやいた。
「帰るかい。ホテルまで送ろう。」
俺はうなずき、トレーラーから降ろされた一見普通の車に乗り込んだ。
夜が明けようとしていた。車はあいかわらずのワインディングロードを控えめに流れていく。俺達は言葉を交わそうとしなかった。いったい何が起こったのか?幻想ではなかった。パンテーラは実在した。そして消滅したのだ。どうして?どうやって?しかしわかるはずもなかった。またわかりたくもなかった。何かトリックがあるのかもしれないし、無いのかもしれない。異次元へ行ったのかもしれないし、過去へ戻ったのかもしれない。しかしどうあれ、現実は一つしか無いのだ。
俺は任務に失敗し、報告書を書けない始末。ま、世の中訳の分からんことだらけの中で、ボーナスが水泡に帰すであろうことだけは間違いのないところだった。
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