第1章 美少女着ぐるみ
留美は、一瞬気が遠のいたように感じた。マスクを被った後はのぞき穴から外が見えるはずだったが、その光景は全く違うものだった。マスクの感覚はなく、留美は控室の全体を見渡していた。全体的に、もやがかかったような感じだが、そこには、まさに留美が今着ているアルプスの少女の着ぐるみと川島が立っていた。
そして、さらにそのすぐ横には見知らない男性が着ぐるみに対面して立っていた。60歳くらいだろうか、恰幅がよく、スリーピースで、髪の毛はポマードで固めているのかギトギトしてる。どこかの社長といった感じだ。金縁メガネがいかにもお金持ちといった様子だった。
金縁メガネの男性は着ぐるみの両肩から腕を両手で触りながら、話し始めた。
「いやー、やはりこういう体形の女の子が着てくれるとキャラクターが映えるねー。商品も引き立つというものだよ。はっ、はっ、はっ・・・」
「はい。私なんかが着ると、逆に怖いですからねー。」
川島は笑顔で答えていた。一方、川島から見えない位置で男性の手はあろうことか着ぐるみの背中側に移動して、さらに尻をなで始めていた。着ぐるみは何も言わずに、居心地が悪そうもぞもぞしている。何やってんの、やめて、留美は声にならない声を上げた。いや、しかし、自分が触られている感じはしない。いったい何が起こっているのだろうか。
そして、さらにそのすぐ横には見知らない男性が着ぐるみに対面して立っていた。60歳くらいだろうか、恰幅がよく、スリーピースで、髪の毛はポマードで固めているのかギトギトしてる。どこかの社長といった感じだ。金縁メガネがいかにもお金持ちといった様子だった。
金縁メガネの男性は着ぐるみの両肩から腕を両手で触りながら、話し始めた。
「いやー、やはりこういう体形の女の子が着てくれるとキャラクターが映えるねー。商品も引き立つというものだよ。はっ、はっ、はっ・・・」
「はい。私なんかが着ると、逆に怖いですからねー。」
川島は笑顔で答えていた。一方、川島から見えない位置で男性の手はあろうことか着ぐるみの背中側に移動して、さらに尻をなで始めていた。着ぐるみは何も言わずに、居心地が悪そうもぞもぞしている。何やってんの、やめて、留美は声にならない声を上げた。いや、しかし、自分が触られている感じはしない。いったい何が起こっているのだろうか。