第7章 着ぐるみパラダイスへ
黒岩の家は、坂を少し上った高台にあった。フラットルーフの総二階で、建ってからそう長くは建っていない印象だった。確かにそれほど大きな家ではなかったが、狭いということもなく、半地下の駐車場もある庭があり、そこには高級外車が止まっていた。
留美がドアホンで来訪を告げると、トレーナー上下というラフな格好の黒岩が玄関に迎えに出てくれた。
「留美さん、かおりさん、いらっしゃいませ。着ぐるみパラダイスへようこそ。他の人はみんな揃っているんで紹介しますね。」
「着ぐるみパラダイス、いいですね・・・。」
かおりはまんざらでもないようだったが、留美は先ほどのかおりからの話が気になって、少しこわばった作り笑顔になっていた。
黒岩は、玄関からすぐ隣のリビングへ二人を案内した。リビングはかなり広く、一角にはグリーンの背景布が天井から垂らしてあり、撮影スペースが作られていた。また、隅にはおなじみのパーテーションが立ててあり、着替えスペースになっているようだ。中央のソファーには男性が二人と女性が二人腰かけていた。テーブルにはオードブルやお菓子や飲み物が置いてあった。
「みんな、こちらは撮影でよく一緒になる留美さんとお友達のかおりさんです。こっちの二人は自分の友人の医者の田中と税理士の小野、女性二人は小野の友達の、えーっと・・。」
「ミナです。小野さんの飲み友達です。それと、私の友達のリサです。」
ソファーに座っていた女性がすかさず自己紹介する。一人は少しウエーブの掛かったロングヘヤーに黒のキャミソールドレス、もう一人はやはりロングだがストレートヘヤーに、胸に大きくスリットの入ったダブルブレストドレスと、どちらも濃い目のメークで、どうみても違う世界に住んでいる人ではないかと留美は感じていた。
それ以前に、黒岩の友達が医者と税理士って、どのような接点で友達になったのかも気になった。留美は、黒岩の友達と言えば、映画関係のちょっとオタクっぽい素朴な男性と勝手に思い込んでいたのだ。そして、その女友達も女友達だ。黒岩の印象とは大きく異なっている。かおりの戦闘コーデもこの二人の前では霞んで見える。
留美がドアホンで来訪を告げると、トレーナー上下というラフな格好の黒岩が玄関に迎えに出てくれた。
「留美さん、かおりさん、いらっしゃいませ。着ぐるみパラダイスへようこそ。他の人はみんな揃っているんで紹介しますね。」
「着ぐるみパラダイス、いいですね・・・。」
かおりはまんざらでもないようだったが、留美は先ほどのかおりからの話が気になって、少しこわばった作り笑顔になっていた。
黒岩は、玄関からすぐ隣のリビングへ二人を案内した。リビングはかなり広く、一角にはグリーンの背景布が天井から垂らしてあり、撮影スペースが作られていた。また、隅にはおなじみのパーテーションが立ててあり、着替えスペースになっているようだ。中央のソファーには男性が二人と女性が二人腰かけていた。テーブルにはオードブルやお菓子や飲み物が置いてあった。
「みんな、こちらは撮影でよく一緒になる留美さんとお友達のかおりさんです。こっちの二人は自分の友人の医者の田中と税理士の小野、女性二人は小野の友達の、えーっと・・。」
「ミナです。小野さんの飲み友達です。それと、私の友達のリサです。」
ソファーに座っていた女性がすかさず自己紹介する。一人は少しウエーブの掛かったロングヘヤーに黒のキャミソールドレス、もう一人はやはりロングだがストレートヘヤーに、胸に大きくスリットの入ったダブルブレストドレスと、どちらも濃い目のメークで、どうみても違う世界に住んでいる人ではないかと留美は感じていた。
それ以前に、黒岩の友達が医者と税理士って、どのような接点で友達になったのかも気になった。留美は、黒岩の友達と言えば、映画関係のちょっとオタクっぽい素朴な男性と勝手に思い込んでいたのだ。そして、その女友達も女友達だ。黒岩の印象とは大きく異なっている。かおりの戦闘コーデもこの二人の前では霞んで見える。