ビクトリーラーメンマンシリーズ第6弾 出世茸

 今回の宙航はコールドスリープをするかどうか悩むほどの近距離であった。そして、最近の調査で俺が珍しい鳥の食材を発見したためか、移動用の調査船も少し大きくなり、操縦席と小さな寝室の2室構成から、簡易シャワー室が追加されてより快適なものとなっていた。水再生には時間が掛かるため、結構大きな水タンクを搭載していることだろう。俺は、簡易シャワーを堪能しつつ、仕事に関する情報収集と勉強を行いながら1カ月程度の通常宙航を行った。

 到着したキノコ星は地球よりやや小さいものの、地球とほぼ同じ重力があり、何より分厚い大気層のためか、赤道付近から中緯度まで熱帯のジャングルが広がっている惑星であった。先住民族がいるようだが、居住地はジャングルが切れる中緯度以北に偏っていた。しかし、課長から指定された着陸ポイントは赤道直下の無人地帯であった。
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