ビクトリーラーメンマンシリーズ第6弾 出世茸
「甲斐さん、甲斐さんのプロフィールと実績を見せて頂いたのですが、甲斐さんの鋭い味覚と強運を生かして、是非お願いしたい仕事があるんです。」
「え、なんですか。そんなにもったいぶらなくても、言ってもらえばなんでもやりますよ。」
今までの課長達は俺の都合など聞くことはなく、次はどこどこの星に行けと一方的に指示を出していた。俺は課長の丁寧さに感心するだけでなく、この課長なら間違いなく幹部にのし上がるであろうことを思うと、少しでも自分を売り込んでおきたいという気持ちも芽生えていた。
「甲斐さん、ありがとうございます。実は自分の知り合いにキノコ採りの名人が居るんですが、おいしいキノコが見つかったので食べにおいで、と誘いがあったんです。」
「え、どこか別の星ですよね。送ってもらえばいいんじゃないですか。」
「行く先は『ULLAUS J1671 + 0928星』、通称『キノコ星』なんですが、それが、かなり繊細なキノコで、採ってから鮮度がすぐに落ちるらしいんですよ。ですから、確かな舌を持つ甲斐さんに是非吟味してきてもらいたいんです。」
「そういうことですか。判りました。早速調査に行きますね。」
俺は、課長が自分のことを少しは買ってくれているようだと判り、二つ返事で引き受けた。
俺は、人呼んで「ビクトリーラーメンマン」。とは言っても別に格闘家ではない。俺は汎銀河コングロマリット「ビクトリー・ラーメン社」の食材調査担当の単なるサラリーマンだ。ビクトリー・ラーメン社は「食」と名のつくものならなんでも扱っている。食品はもちろん、食品倉庫から、船底の腐食防止塗料なんてのも扱っている。そして、人々は我々社員をビクトリーラーメンマンと呼ぶのだ。今までは目的も判らず、行く先だけが指示されてきたが、今回は行く先も目的もはっきりしており、簡単な出張であろうと予測できた。
「え、なんですか。そんなにもったいぶらなくても、言ってもらえばなんでもやりますよ。」
今までの課長達は俺の都合など聞くことはなく、次はどこどこの星に行けと一方的に指示を出していた。俺は課長の丁寧さに感心するだけでなく、この課長なら間違いなく幹部にのし上がるであろうことを思うと、少しでも自分を売り込んでおきたいという気持ちも芽生えていた。
「甲斐さん、ありがとうございます。実は自分の知り合いにキノコ採りの名人が居るんですが、おいしいキノコが見つかったので食べにおいで、と誘いがあったんです。」
「え、どこか別の星ですよね。送ってもらえばいいんじゃないですか。」
「行く先は『ULLAUS J1671 + 0928星』、通称『キノコ星』なんですが、それが、かなり繊細なキノコで、採ってから鮮度がすぐに落ちるらしいんですよ。ですから、確かな舌を持つ甲斐さんに是非吟味してきてもらいたいんです。」
「そういうことですか。判りました。早速調査に行きますね。」
俺は、課長が自分のことを少しは買ってくれているようだと判り、二つ返事で引き受けた。
俺は、人呼んで「ビクトリーラーメンマン」。とは言っても別に格闘家ではない。俺は汎銀河コングロマリット「ビクトリー・ラーメン社」の食材調査担当の単なるサラリーマンだ。ビクトリー・ラーメン社は「食」と名のつくものならなんでも扱っている。食品はもちろん、食品倉庫から、船底の腐食防止塗料なんてのも扱っている。そして、人々は我々社員をビクトリーラーメンマンと呼ぶのだ。今までは目的も判らず、行く先だけが指示されてきたが、今回は行く先も目的もはっきりしており、簡単な出張であろうと予測できた。