ビクトリーラーメンマンシリーズ第4弾 火鍋ドラゴン

 「ジャン、ジャン、ジャーン」
 俺がドラゴンスープと格闘していると、突然銅鑼が鳴り響いた。キッチンを見ると、店主は頭にターバンのようなものを巻き、蛇使いが使うような途中が膨らんだ笛を手に持っている。3つのコンロには、それぞれ、赤色、黄色、緑色に塗られた鍋が伏せられていた。

 「レディス・アンド・ジェントルマン、火鍋ドラゴン名物、ドラゴンショーのはじまり、はじまりー、ジャン、ジャン、ジャーン」
 店主は再び銅鑼を鳴らした。
 「レッドドラゴン、カモン、ピーヒャララ」

 店主が笛を吹くと、赤い鍋を開けて、赤いスカーフを巻いた爬虫類の頭がコンロからぬぅーっと出てきた。そして客の方をぐるっと見渡して舌をぺろぺろっと出し、その後、器用に鍋を伏せて消えていった。大きいトカゲか、何か爬虫類だろうか。店主はドラゴンと言っているが、店名が火鍋ドラゴンだからそれに掛けているのだろう。顔はグロテスクだが、スカーフを巻いているのがかわいい。

 「イエロードラゴン、カモン、ピーヒャララ」
 再び店主が笛を吹くと、今度は黄色い鍋を開けて、黄色いスカーフを巻いたのが顔を出して、また鍋を閉じて引っ込んだ。
 「グリーンドラゴン、カモン、ピーヒャララ」
 三度店主が笛を吹くと、次は緑色のスカーフを巻いたのが顔を出した。
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