ビクトリーラーメンマンシリーズ第4弾 火鍋ドラゴン

 数回前の出張から俺には専用の調査船が支給されていた。専用の調査船とはいっても、操縦室と小さな寝室がある程度の質素なものだ。今回、課長が試作品を積み込んだと言っていたので、期待して調査船に乗り込むと、なんと寝室はほとんどが装置で埋まっており、ぎりぎり寝られるほどに狭くなっていた。

 「どれどれ。」
 俺は操縦室に置いてあったメモを見てみた。
 「水を入れて30秒で熱々のランチが出来る乾燥ランチプレート10食、解凍レンジ15分で活き作りが食べられるコールドスリープ活き造り定食10食、はーん。」

 乾燥ランチプレートは良いとして、コールドスリープ活き造り定食がこの雑然とした装置群の原因となっているようだ。魚をさばいた状態で生きたままコールドスリープさせる装置と、コールドスリープを解凍するための装置がかさばっているようだ。以前、どこかの惑星のレストランが開発したものを小型化して、俺の出張で実証実験するつもりらしい。いや、人体実験というべきか。お腹でも壊したらどうするつもりだろうか。俺がメモを読み進めると、下の方にもう1つ積み込まれた装置が書いてあった。

 「救急救命医療装置・・・、はぁー。」
 会社のやることはいつも抜かりがない。装置がかさばるはずだ。今回の食材調査も、単なる調査でなく、何か隠された意図があるのかもしれない。
4/10ページ
スキ