ふわっと

 そして0デイとなった。

 長さ10kmの人工物は地球の静止軌道に入った。一瞬で地球が滅ぼされるのか、はたまたタコのような宇宙人が現れるのか、世界中の人々が固唾をのんで見守っている中、いきなり沈黙が破られた。

 「地球の皆様、初めまして。」
 それは人工物から、通常の電波で、しかも公用語で全世界に向けて発信された。準備された言語解析チームもスーパーコンピューターも全く必要なかった。

 「私は銀河連邦から来た使者です。地球文明がレベル1に到達しましたので、今回は銀河連邦という組織が存在することと、どのような種類の異星人が存在するかをお伝えに来ました。」

 この言葉と同時に、数千の種類の異星人の写真と特徴が公用語で書かれたファイルが送られてきた。そのファイルには、人類と同じような異星人や、気体状の異星人、大きさが数kmに及ぶ異星人など、様々な異星人が紹介されていた。

 異星人の目的がはっきりしたことで、世界中の人々は胸をなでおろした。また、幸いにも宇宙戦艦も攻撃兵器もすべて無駄となった。
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