レストランからはまた８輪車で空港まで送ってもらった。空港に着くや否や、俺は宇宙船に戻り、課長へ報告を行った。

　「課長、早くも見つけましたよ。魚をコールドスリープで生きたまま出すレストランを見つけました。砂漠で生き作りが出ましたよ。すごくないですか。」
　「んだの、砂の惑星にすてはめんずらすな。だばっても、ほかの星では珍すくはねな。他には何がねがっただが。」

　課長の反応は俺が予想したものとは違っていた。課長は魚のコールドスリープには全く興味を示さなかった。確かに砂の惑星で生き造りが出たので俺もテンションが上がったが、他の星ではそれほど珍しいものではない。魚のコールドスリープ技術を確認することが俺のミッションではなかったのだろうか。俺は困惑した。生き造り以外にこれといった料理はなかった。他の食材はおそらく冷凍だ。

だが、俺はアペタイザーを思い出して課長に報告した。
　「あとは、サボテンと川エビが出たくらいですね。」
　「そうが、川エビが出だのが、ほう・・・。甲斐くん、ごぐるがな。出張は終わりだ。すぐ、帰ってご。」
　期せずして出張が終了した。

　「完了ですか。どういうことですか。」
　言葉少ない上司が珍しく説明してくれた。
　「川エビさ、いるってことは地下水脈があるってことこどだびょん。ドゥーンの地上に川は存在しね。レストランの主人は地下水脈を見つけったってことだな。レストランが昔の軍事基地でトンネルだらけだはんで見つけたんだびょん。」