ビクトリーラーメンマンシリーズ第3弾 砂の惑星
ビクトリーラーメンマンシリーズ第3弾 砂の惑星
―修.
「甲斐くん、めやぐだばって、ぜばだば次はドゥーン砂の惑星さ、行ってけ。」
課長から出張命令が下った、ように俺は感じて問い返した。
「出張ですか。」
「んだ、ドゥーン砂の惑星だべ。」
俺は聞き覚えのある惑星名に驚いた。
「デューン砂の惑星ですって?それって小説のやつですよね。そんな惑星、現実にあるんですか。」
「したはんで!ドゥーン砂の惑星ってしゃべっちゅべさ。」
「え、デューンじゃなくて、ドゥーン、ですか?」
「んだ!かちゃくちゃねぇ!」
課長は東北出身で、しかも活舌が悪い。「砂の惑星」と言われれば誰でも「デューン」って思うだろう。ドゥーン砂の惑星って、どれだけ紛らわしい名前だ。俺は課長に多少いらいらしつつも早速出張の準備に取り掛かった。
俺は、人呼んで「ビクトリーラーメンマン」。とは言っても別に格闘家ではない。俺は汎銀河コングロマリット「ビクトリー・ラーメン社」の食材調査担当の単なるサラリーマンだ。
ビクトリー・ラーメン社は「食」と名のつくものならなんでも扱っている。食品はもちろん、屋台から、食品生産惑星、果ては海食洞観光用の遊覧船なんてのも扱っている。そして、人々は我々社員をビクトリーラーメンマンと呼ぶのだ。
名前はともかく、砂の惑星にどんな食材があるのだろうか。デューン砂の惑星なら、砂の中を爆走する巨大なワームとか、スパイスと言われる香料だが、それは小説の中の話だ。実際には、サボテンのような暑さにも乾燥にも強い多肉植物とか、小動物とか、昆虫とかだろうか。いやいや、出張命令が下るくらいだから、案外「砂」自体が食えるとか・・・。いやいや、砂の惑星といいながら、そもそも砂がないとか・・・。
会社はいつも出張の目的を明かさない。このため、何を見つければ、あるいは何かをやれば出張完了になるのか判らない。はるばる宇宙空間を超えて出張するのにいつも手探りだ。
―修.
「甲斐くん、めやぐだばって、ぜばだば次はドゥーン砂の惑星さ、行ってけ。」
課長から出張命令が下った、ように俺は感じて問い返した。
「出張ですか。」
「んだ、ドゥーン砂の惑星だべ。」
俺は聞き覚えのある惑星名に驚いた。
「デューン砂の惑星ですって?それって小説のやつですよね。そんな惑星、現実にあるんですか。」
「したはんで!ドゥーン砂の惑星ってしゃべっちゅべさ。」
「え、デューンじゃなくて、ドゥーン、ですか?」
「んだ!かちゃくちゃねぇ!」
課長は東北出身で、しかも活舌が悪い。「砂の惑星」と言われれば誰でも「デューン」って思うだろう。ドゥーン砂の惑星って、どれだけ紛らわしい名前だ。俺は課長に多少いらいらしつつも早速出張の準備に取り掛かった。
俺は、人呼んで「ビクトリーラーメンマン」。とは言っても別に格闘家ではない。俺は汎銀河コングロマリット「ビクトリー・ラーメン社」の食材調査担当の単なるサラリーマンだ。
ビクトリー・ラーメン社は「食」と名のつくものならなんでも扱っている。食品はもちろん、屋台から、食品生産惑星、果ては海食洞観光用の遊覧船なんてのも扱っている。そして、人々は我々社員をビクトリーラーメンマンと呼ぶのだ。
名前はともかく、砂の惑星にどんな食材があるのだろうか。デューン砂の惑星なら、砂の中を爆走する巨大なワームとか、スパイスと言われる香料だが、それは小説の中の話だ。実際には、サボテンのような暑さにも乾燥にも強い多肉植物とか、小動物とか、昆虫とかだろうか。いやいや、出張命令が下るくらいだから、案外「砂」自体が食えるとか・・・。いやいや、砂の惑星といいながら、そもそも砂がないとか・・・。
会社はいつも出張の目的を明かさない。このため、何を見つければ、あるいは何かをやれば出張完了になるのか判らない。はるばる宇宙空間を超えて出張するのにいつも手探りだ。
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