パイロキネシスト

 ちょうどそのころ、上空700kmを飛行している異星人の巨大宇宙船では、突然の攻撃にパニックが起こっていた。

「今のはなんだ? 地球から発射されたものか? 被害状況を報告しろ!」
「提督、攻撃種類は分析中です。発射元は地球、メインエンジンが焼失しました」
「メインエンジンが焼失だって? 本艦の強力な装甲を一撃で突破?
 いったいどれほどの出力なんだ。あり得ないだろう・・・。
 そもそも、この惑星制圧用戦艦は、光学迷彩に電波吸収能力もあって、探知されるはずがないだろう。
 いったいどうやって照準を合わせたんだ・・・」

「船外映像の分析結果が出ました。ビームというより、火柱のようです」
「火柱? 真空中で火? そんな馬鹿な・・・」
「なぜ本艦に照準できたかは不明です・・・」

「地球人はそんな兵器を持っていたのか? いったいどこに隠していたんだ・・・」
「提督、地上の発射位置が特定できました。山中の少し開けた公園のように見えますが、軍事施設は何もありません・・・」

 提督は想定外の事態に青ざめていた。
「こんな事態は想定外だ。
 本艦に正確に照準を合わせ、一撃でメインエンジンを破壊できるなんて・・・。
 これは地球からの警告かもしれない。
 幸いサブエンジンは無傷だ。直ちにこの星域から離脱し、母星に帰還する。
 作戦の練り直しだ・・・」

 期せずして地球は救われた。

おしまい
3/3ページ
スキ