【スイーパー3】リングケース
-修.
「イサナ船長、いつも思うんですけど『パス・オプティマイズ』って呼び方、格好良すぎません? ただのごみ拾いでしょ」
副操縦士、兼、機関士、兼、調理師のトビーは、操縦席に座り、ディスプレイを見つめたまま、不服そうにイサナ船長に話しかけた。
「いやいや、トビー、この『パス・オプティマイズ』は我々スイーパーの本来業務だろ。だから、高いモチベーションを持って取り組めるよう、連邦政府様がありがたい名前を付けて下さってるんだよ」
答えたイサナ船長は、正操縦士、兼、航海士、兼、医師である。
「まあ、確かに『ごみ拾い』って言われるとちょっとカチンときますけどね。
しかし、先月の事故の後、ほとんどの大きなデブリは、別のスイーパーが回収済なんでしょ。残りのちっちゃいデブリは放っておいても、たいしたことないんじゃないですか?」
「トビー、そんなことを言うもんじゃない。確かに、レーダーに映っても10cm未満の金属デブリとか、そもそもレーダーで捉えられない木やプラスチックのデブリが、宇宙船に当たってもたいした被害は出ない。
しかし、もしもだ、デブリが大型観光船の繊細なセンサーに当たって、船が不意に揺れて、お客様をびっくりさせたらいけないだろう」
「そりゃそうですけど・・・。
でも、そのデブリって、作業中に、俺たちの船に当たって被害を与えることもあるんじゃないですか?」
「えーっと、そこは、ほら・・・、うちらは零細企業だからな」
トビーは、イサナ船長の説明には納得がいかなかったが、これ以上議論しても埒が明かないとあきらめることにした。
二人が乗るコーネリアス号は、全長50mほどの小型の宇宙船である。両脇にはスピードこそ出ないが、高推進力のイオンエンジン2基を搭載している。乗組員はイサナ船長とトビーだけだ。就航後、かなりの年数が経っており、装備には古さが目立つ。
コーネリアス号のように、連邦政府からの業務委託で、難破船の曳航、使用済衛星やスペースデブリの回収を行う掃除屋は「スイーパー」と呼ばれていた。業務の性格上、宙航は、1ヶ月から半年と長期にわたる場合が多い。
今回は、パス・オプティマイズ、いわゆる航路のごみ拾いのため、コーネリアス号の後部には、長さ100m、直径20mほどの円筒状の回収装置をドッキングしている。
回収装置の中には、アラミド繊維で織り込まれた、幅100m、長さ10kmの細長い帯状のネットが2枚畳みこまれており、回収装置をゆっくり回転させながら、両側からそれらを繰り出すことで、全長20kmに及ぶネットを展開することができる。
ネットには、6足でネットの繊維をつかみながら移動し、ネットに捉えられたデブリを2本の腕で回収し、装置本体に持ち帰る、通称スパイダーと呼ばれる運搬ロボットが、1つのネットの裏表に2機ずつ、計8機が装備されている。
「イサナ船長、いつも思うんですけど『パス・オプティマイズ』って呼び方、格好良すぎません? ただのごみ拾いでしょ」
副操縦士、兼、機関士、兼、調理師のトビーは、操縦席に座り、ディスプレイを見つめたまま、不服そうにイサナ船長に話しかけた。
「いやいや、トビー、この『パス・オプティマイズ』は我々スイーパーの本来業務だろ。だから、高いモチベーションを持って取り組めるよう、連邦政府様がありがたい名前を付けて下さってるんだよ」
答えたイサナ船長は、正操縦士、兼、航海士、兼、医師である。
「まあ、確かに『ごみ拾い』って言われるとちょっとカチンときますけどね。
しかし、先月の事故の後、ほとんどの大きなデブリは、別のスイーパーが回収済なんでしょ。残りのちっちゃいデブリは放っておいても、たいしたことないんじゃないですか?」
「トビー、そんなことを言うもんじゃない。確かに、レーダーに映っても10cm未満の金属デブリとか、そもそもレーダーで捉えられない木やプラスチックのデブリが、宇宙船に当たってもたいした被害は出ない。
しかし、もしもだ、デブリが大型観光船の繊細なセンサーに当たって、船が不意に揺れて、お客様をびっくりさせたらいけないだろう」
「そりゃそうですけど・・・。
でも、そのデブリって、作業中に、俺たちの船に当たって被害を与えることもあるんじゃないですか?」
「えーっと、そこは、ほら・・・、うちらは零細企業だからな」
トビーは、イサナ船長の説明には納得がいかなかったが、これ以上議論しても埒が明かないとあきらめることにした。
二人が乗るコーネリアス号は、全長50mほどの小型の宇宙船である。両脇にはスピードこそ出ないが、高推進力のイオンエンジン2基を搭載している。乗組員はイサナ船長とトビーだけだ。就航後、かなりの年数が経っており、装備には古さが目立つ。
コーネリアス号のように、連邦政府からの業務委託で、難破船の曳航、使用済衛星やスペースデブリの回収を行う掃除屋は「スイーパー」と呼ばれていた。業務の性格上、宙航は、1ヶ月から半年と長期にわたる場合が多い。
今回は、パス・オプティマイズ、いわゆる航路のごみ拾いのため、コーネリアス号の後部には、長さ100m、直径20mほどの円筒状の回収装置をドッキングしている。
回収装置の中には、アラミド繊維で織り込まれた、幅100m、長さ10kmの細長い帯状のネットが2枚畳みこまれており、回収装置をゆっくり回転させながら、両側からそれらを繰り出すことで、全長20kmに及ぶネットを展開することができる。
ネットには、6足でネットの繊維をつかみながら移動し、ネットに捉えられたデブリを2本の腕で回収し、装置本体に持ち帰る、通称スパイダーと呼ばれる運搬ロボットが、1つのネットの裏表に2機ずつ、計8機が装備されている。
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