【スイーパー2】幽霊船
二人はその後もしばらく船内の調査を続けたが、何の成果も得られず、コーネリアス号へと戻ってきた。
「イサナ船長、誰もいないってどういうことでしょうね?」
「わからんな・・・。しかし、船体に欠陥はなかったようなので、曳航できるか少しテストしてみるか」
「そうですね。じゃ、曳航フックを掛けます」
コーネリアス号からアームが伸び、先端に電磁マグネットの付いた曳航フックが漂流宇宙船の船首に取り付けられた。
「イサナ船長、それじゃ、船首を少し横に引っ張ってみます」
「トビー、慎重にな・・」
トビーは操縦桿をわずかに動かし、コーネリアス号のスラスターを噴射した。
その直後、イサナ船長とトビーは目を疑った。
漂流宇宙船は、逆方向にスラスターを噴射し、姿勢を戻そうとしていた。トビーが叫んだ。
「なんてことだ。自動操縦か?!」
「トビー、すぐに曳航フックを外せ。AIによる自動操縦だろう。何が起こるかわからん。コーネリアス号、退避・・・」
「了解!」
トビーは即座に反応し、漂流宇宙船から距離を取った。
「いったい、何だったんだ」
「わかりませんね・・・。
あ、たった今、連邦政府から回答の通信が入りました。なになに・・・。
文字は、アフリカ大陸のカタンボという国の文字であることが判明・・・と」
「カタンボ・・・どっかで聞いた国名だな」
「・・・カタンボは宗教国家で、レアアースの発見で一躍富豪国になったが、直後に列強の攻撃を受け、今はもう存在しない・・・」
「今やまぼろしの国家か・・・」
二人はしばし沈黙した。
「それはそうと、この船はなんだ? トビー、何か書いてないか?」
「えーっと、船のことは書いてないですけど・・・。カタンボの宗教は、はくちょう座の青色巨星を神と崇めており、祈りや供物を捧げる行為を行っていた・・・」
「供物・・・」
イサナ船長は少し考え込み、静かに話し始めた。
「あの宇宙船は、神に捧げる供物ではないだろうか? そして、AIがその使命を託されて、実直に命令を遂行している・・・」
「そういえばレアアースで一儲けしたって書いてありましたね。それで宇宙船を作って、それ自体を供物として届けているのか・・・。なんて壮大な!」
「そうだな、あと何百年かかるんだろうな・・・」
イサナ船長は、すでに無くなった国家のため、はるかかなたで黙々と任務を遂行するAIをどこかかわいそうだと思いつつ、連邦政府へどう報告するか悩み始めていた。
おしまい
「イサナ船長、誰もいないってどういうことでしょうね?」
「わからんな・・・。しかし、船体に欠陥はなかったようなので、曳航できるか少しテストしてみるか」
「そうですね。じゃ、曳航フックを掛けます」
コーネリアス号からアームが伸び、先端に電磁マグネットの付いた曳航フックが漂流宇宙船の船首に取り付けられた。
「イサナ船長、それじゃ、船首を少し横に引っ張ってみます」
「トビー、慎重にな・・」
トビーは操縦桿をわずかに動かし、コーネリアス号のスラスターを噴射した。
その直後、イサナ船長とトビーは目を疑った。
漂流宇宙船は、逆方向にスラスターを噴射し、姿勢を戻そうとしていた。トビーが叫んだ。
「なんてことだ。自動操縦か?!」
「トビー、すぐに曳航フックを外せ。AIによる自動操縦だろう。何が起こるかわからん。コーネリアス号、退避・・・」
「了解!」
トビーは即座に反応し、漂流宇宙船から距離を取った。
「いったい、何だったんだ」
「わかりませんね・・・。
あ、たった今、連邦政府から回答の通信が入りました。なになに・・・。
文字は、アフリカ大陸のカタンボという国の文字であることが判明・・・と」
「カタンボ・・・どっかで聞いた国名だな」
「・・・カタンボは宗教国家で、レアアースの発見で一躍富豪国になったが、直後に列強の攻撃を受け、今はもう存在しない・・・」
「今やまぼろしの国家か・・・」
二人はしばし沈黙した。
「それはそうと、この船はなんだ? トビー、何か書いてないか?」
「えーっと、船のことは書いてないですけど・・・。カタンボの宗教は、はくちょう座の青色巨星を神と崇めており、祈りや供物を捧げる行為を行っていた・・・」
「供物・・・」
イサナ船長は少し考え込み、静かに話し始めた。
「あの宇宙船は、神に捧げる供物ではないだろうか? そして、AIがその使命を託されて、実直に命令を遂行している・・・」
「そういえばレアアースで一儲けしたって書いてありましたね。それで宇宙船を作って、それ自体を供物として届けているのか・・・。なんて壮大な!」
「そうだな、あと何百年かかるんだろうな・・・」
イサナ船長は、すでに無くなった国家のため、はるかかなたで黙々と任務を遂行するAIをどこかかわいそうだと思いつつ、連邦政府へどう報告するか悩み始めていた。
おしまい
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