宇宙卓球大会

                          -修.

「始まりました!
 初の異星人対抗、宇宙卓球大会。今回は、1万を超える星域から予選を勝ち上がりました28人の異星人が、この惑星アルティウスに集っております。
 試合はトーナメント形式ですので、1戦でも落とすと敗退ということになります。
 実況は、私、GLV放送局のデイビッド・ハリス、解説には第2945回の地球のオリンピックで優勝されましたユーリン・ハオさんにお越しいただいています。
 ハオさん、今回の大会いかがでしょうか。」

「はい、今回は地球人類だけでなく、各星域の異星人が参加していますからね。どんな展開になるのか見ものですね。」
 かっちりしたスーツに身を包んだハリスと、対照的に赤いTシャツ姿の中国系の元チャンピョンのハオは、アリーナの中央に配置された卓球台のすぐそばの放送ブースに座っていた。

「そうですね、ハオさんのおっしゃる通り、今回、異星人間の卓球大会ということで、いくつかルールも見直されたようです。例えば、ボールはラケットで打つこととか、打った後にボールに手を加えないこととかです。」
「どういうことですか。」
「はい。異星人によっては、風圧でボールを押し返したり、念力で動かしたりできる方も居るようで、それらの行為は反則となります。」
「そんなことができるのですか・・・」
 ハオ氏は驚きが隠せない様子だった。

「はい、打った後のボールもファイヤーボールに変えたり、ブラックホールに変えたりすることも禁止です。」
「はぁ・・・?!」

「それでは、トーナメント第1回戦。最初の対戦者は、レオ・バルカ星人のライオス・ギュリ選手と、バルキルス星人のACG2567選手です。」
「どちらも初耳の星ですね。どんな選手なんでしょうか。」
「はい、わたくしも詳しくはありませんので、実際に登場した選手の外見を説明しつつ、オンライン世界百科事典で検索しながら解説してまいります。ん、選手入場のようです・・・」

「おおっ・・・」
 アリーナ席の観客たちからどよめきが起こった。

 一方の入り口からは、一見、ケンタウルスのようだが、胴体がライオン、そして人間のような上半身、そして頭は再びライオンという、見たこともない異星人が入場してきた。
「えぇー、こちらがレオ・バルカ星人のライオス・ギュリ選手ですね。ライオンの胴体に4本の腕が特徴です。」
「おー、ラケット3本持ちですか。腕1つはサーブでトスを上げる必要がありますから、ラケットが持てないってことですね。いやぁ、これなら、フォア、バック、ミドルをそれぞれのラケットでカバーできます。鉄壁の守りだ、死角がない・・・」
 ハオはしきりにうなずきながら感心していた。

「おおおぉ・・・」
 再び観客席からどよめきがおこった。そこには人間型ではあるものの、腕の長さが2mはあろうかという異星人が入場してきた。
「バルキルス星人のACG2567選手も入場してまいりました。」
「名前が記号なのですね。いや、なにより腕が長い、あれだけ長いと一歩も動かず、あらゆる球が取れそうです。」
「これは、外見だけからも、いずれも劣らぬ有力選手のようです・・・」
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