独立歩兵

 と、空を見上げると、小型の、おそらく10人は乗れないくらいの巡視艇が下りてきていた。こんな、多量のロボットのいる星に降りてくるのは危険である。レーザーはかなり強力な武器である。

 しかし、予想に反してその巡視艇は撃ち落されもせず、俺のすぐそばに着陸した。そして、そのハッチから出てきた俺の上官を見て、俺は喜びたかったがその元気もなかった。

 「傷は浅いようだな。おめでとう、合格だ。君は傷が治り次第、独立歩兵として母星に降ろされる。」ハッチからは白衣に身を包んだ医療班が出てくる。

 俺は「独立歩兵」という言葉を聞いてたじろいだ。それは兵隊としてよりも、むしろ小グループのリーダーシップをとる者としての意味が強い。

 つまり、母星において、戦争でバラバラになっている人を、少しずつ集め組織化し、全地域的な規模で敵をやっつけていくという遠大な計画の一端をなすものである。俺は担架で運ばれながらフラフラの意識を振り絞っていった。

 「失礼ですが、俺は偶然、敵を倒しただけであり、ちょっと幸運だっただけであります。とてもそんな大役は受けられません。」
 上官はニヤリとして答えた。
 「我々は、幸運な人間を求めているのさ・・・。独立歩兵どの。」
 俺はどこかで聞いたセリフだなと思いつつ気を失っていった。
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