独立歩兵

PARALLEL WORLD vol.9(1982年1月22日) 掲載

    独立歩兵
                          -修.

 気がついてみると俺は岩と岩の間に身を沈めていた。まわりには岩と枯草の丘陵が広がっている。空にはちょうど2つ目の太陽が岩山の斜面に浮かび上がろうとしていた。

 ここはいったい、どこだろう。なぜ俺はここにいるのだろうか。俺はいましも戦場に送り込まれようとしている兵士であり、兵員輸送艦の中で待機していたはずなのに・・・。

 自分の体に目をやると俺は完全に武装していた。機関銃、ピストル、弾丸、手榴弾、ナイフ、ワイヤー、etc. 食料と水を除いて、すべてが揃っているといっても過言ではなかった。

 未知の惑星に一人。俺はさっそく、食料と水を探しにいくことにした。そして俺は立ち上がって岩の窪みから出て、あたりを見渡した。が、そこには、風に揺れる、背の低い枯草のゆるいウェーブと、無味乾燥な岩の連なりの他には何も見いだせなかった。
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