通勤税

 週が明けた月曜日、通勤がなくなったにも関わらず、俺はいつも通り起床した。食事を済ませると、他にすることもなくなり、ノートPCを起動してみることにした。まあ、初日は機械に慣れる必要もあるだろう。

 VRゴーグルを被り、ノートPCを立ち上げるとチュートリアルが始まった。操作はジョイスティックの付いたゲームパッドで行えるため、何かゲームをやったことがある人なら違和感なく操作できるだろう。

 一連のチュートリアルが終わると、ゴーグルの画像には「出社する」という大きなボタンが現れた。少し時間が早いが、俺は「出社する」のボタンを押した。

 するとVRゴーグルには、事務所ではなく、どこかの都会の景色が表示された。
「うん、これはどこだぁ?」
 俺が視線を動かすと、そこには見慣れた東京スカイツリーが見えた。
「これは・・・」
 その景色は、俺のマンションの廊下から見える景色だった。
「うーん、そういうことか・・・」
 どうやら俺はリアルなバーチャル空間で、バーチャルなエレベーターや電車を使って、バーチャルな事務所まで通勤しないといけないらしい。この会社はだめかもな~と思いながら、俺はバーチャル空間のマンションの廊下を歩いていった。

おしまい
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