通勤税
通勤税
-修.
山手線の乗換駅のホームに入ってきた電車は2両編成にまで減っていた。最近まで4両編成だったのだが・・・。そして、かつて11両編成の列車が止まっていた広大なホームには、まばらにしか人が見えない。
「通勤税」、正式には「通勤等定常的移動に伴う環境整備税」の制定。東京への一極集中を避け、インフラ投資や維持費の削減、天変地異発生時のリスク分散、地方の過疎化対策を図るための新しい税金。その効果は絶大と言って良かった。
10年前に俺が会社に入ったころ法律が制定され、5年後に先行施行された。内容は、通勤距離が10kmを超える従業員1名に対して、月5千円の通勤税を会社側が負担しなければならないというものだ。このインパクトは絶大で、例えば1000人の従業員の会社で全員が毎日10km以上通勤すると、毎月500万円、年間6000万円の納税義務が発生する。
しかし、これはまだ序の口だ。来年からは本格施行が始まり、通勤距離が2kmを超えると1kmごとに千円の納税義務が生じる。先ほどの例では、最低でも年間約1億円の納税義務が発生してしまう。
大企業はこの莫大な納税義務を回避するため、早々に関東圏を見切って地方へと本社を移していった。そして、本社の回りに社宅用のマンションを確保し、通勤はほとんどが徒歩か自転車となっているらしい。一方、テレワーク可能な業態では、全従業員を完全テレワークにしてしまい、通勤を0にすることで税金を逃れるケースもあった。
今や1時間に4本くらいしか来なくなった山手線に乗り込むと、いつもの通り通勤客は少なく、場合によっては席が空いている場合もあるほどだった。俺は入り口近くに立ち、数駅先の会社を目指した。
-修.
山手線の乗換駅のホームに入ってきた電車は2両編成にまで減っていた。最近まで4両編成だったのだが・・・。そして、かつて11両編成の列車が止まっていた広大なホームには、まばらにしか人が見えない。
「通勤税」、正式には「通勤等定常的移動に伴う環境整備税」の制定。東京への一極集中を避け、インフラ投資や維持費の削減、天変地異発生時のリスク分散、地方の過疎化対策を図るための新しい税金。その効果は絶大と言って良かった。
10年前に俺が会社に入ったころ法律が制定され、5年後に先行施行された。内容は、通勤距離が10kmを超える従業員1名に対して、月5千円の通勤税を会社側が負担しなければならないというものだ。このインパクトは絶大で、例えば1000人の従業員の会社で全員が毎日10km以上通勤すると、毎月500万円、年間6000万円の納税義務が発生する。
しかし、これはまだ序の口だ。来年からは本格施行が始まり、通勤距離が2kmを超えると1kmごとに千円の納税義務が生じる。先ほどの例では、最低でも年間約1億円の納税義務が発生してしまう。
大企業はこの莫大な納税義務を回避するため、早々に関東圏を見切って地方へと本社を移していった。そして、本社の回りに社宅用のマンションを確保し、通勤はほとんどが徒歩か自転車となっているらしい。一方、テレワーク可能な業態では、全従業員を完全テレワークにしてしまい、通勤を0にすることで税金を逃れるケースもあった。
今や1時間に4本くらいしか来なくなった山手線に乗り込むと、いつもの通り通勤客は少なく、場合によっては席が空いている場合もあるほどだった。俺は入り口近くに立ち、数駅先の会社を目指した。
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