N博士のほぼ永久機関
「もう1つ、話しておくことがある。君は永久機関と言われたら、どんな装置を定義するかね?」
エージェントは我に返って答えた。
「えーっと、外からエネルギーを与えなくても永久に、いや、ほぼ永久に動き続ける装置ですかね・・・」
「うむ、そうだな。しかし、そんな装置があったとして君はうれしいかね。」
「いや、ずっと動き続けてすごいなー、って思うくらいでしょうか。」
「そうだ。一般的に永久機関は、動き続けるオブジェくらいにしかならない。これは面白くもなんともないと思わないかね。」
「確かにそうですね。動き続ける芸術作品ということですね。」
「そうだ、だからわしはほぼ永久機関の定義を考え直した。つまりは、与えたエネルギーより大きなエネルギーを結構長く出し続ける装置と定義づけたのだ。」
「N博士、そんなことってできるんですか。エネルギー保存の法則に反しているような・・・」
「ははは、君らしい反論だな。極めて理路整然としている。実験装置の説明のしがいがあるというものだ。」
N博士はトーチカの細い窓から、500mほど離れたところに置かれた四角い枠のようなものを指さした。
「君、以前、ワープの実験で使った2枚のドアの装置を覚えているかね。」
「あー、危なく亜空間に閉じ込められそうになった奴ですね。ドアとドアが亜空間でつながっていて、瞬時に別の場所に行けるという装置でしたね。」
「そうだ。まあ、装置は今ひとつだったがな。あのとき説明したが、2つのドアの間に気圧差があると風が起こるというのを覚えているかね。」
「あっ、もしかして、N博士は気圧差で風力発電をしようと考えているのではないですか。」
「ははは、さすが君だな。物分かりが早い。あの装置は1m四方の換気扇のようなものだ。こちら側のドアに相当する。」
「やはりそうですか。もう一つは・・・」
N博士は再びトーチカの窓から、雲一つない青空の下、演習場を取り囲む新緑の山々の1つを指さした。
「あの山だ。こことは標高差が500mほどある。あの山にやはり1m四方の枠のようなものを置いている。これがあちら側のドアに相当する。この気圧差でそこのプロペラを回して発電するということだ。」
「すごいですね。うまく行きそうなんですね。」
「理論的にはな・・・。しかし、何が起こるかわからないので、この演習場で実験することにしたのだ。」
エージェントは今までの経験から嫌な予感がしていた。
エージェントは我に返って答えた。
「えーっと、外からエネルギーを与えなくても永久に、いや、ほぼ永久に動き続ける装置ですかね・・・」
「うむ、そうだな。しかし、そんな装置があったとして君はうれしいかね。」
「いや、ずっと動き続けてすごいなー、って思うくらいでしょうか。」
「そうだ。一般的に永久機関は、動き続けるオブジェくらいにしかならない。これは面白くもなんともないと思わないかね。」
「確かにそうですね。動き続ける芸術作品ということですね。」
「そうだ、だからわしはほぼ永久機関の定義を考え直した。つまりは、与えたエネルギーより大きなエネルギーを結構長く出し続ける装置と定義づけたのだ。」
「N博士、そんなことってできるんですか。エネルギー保存の法則に反しているような・・・」
「ははは、君らしい反論だな。極めて理路整然としている。実験装置の説明のしがいがあるというものだ。」
N博士はトーチカの細い窓から、500mほど離れたところに置かれた四角い枠のようなものを指さした。
「君、以前、ワープの実験で使った2枚のドアの装置を覚えているかね。」
「あー、危なく亜空間に閉じ込められそうになった奴ですね。ドアとドアが亜空間でつながっていて、瞬時に別の場所に行けるという装置でしたね。」
「そうだ。まあ、装置は今ひとつだったがな。あのとき説明したが、2つのドアの間に気圧差があると風が起こるというのを覚えているかね。」
「あっ、もしかして、N博士は気圧差で風力発電をしようと考えているのではないですか。」
「ははは、さすが君だな。物分かりが早い。あの装置は1m四方の換気扇のようなものだ。こちら側のドアに相当する。」
「やはりそうですか。もう一つは・・・」
N博士は再びトーチカの窓から、雲一つない青空の下、演習場を取り囲む新緑の山々の1つを指さした。
「あの山だ。こことは標高差が500mほどある。あの山にやはり1m四方の枠のようなものを置いている。これがあちら側のドアに相当する。この気圧差でそこのプロペラを回して発電するということだ。」
「すごいですね。うまく行きそうなんですね。」
「理論的にはな・・・。しかし、何が起こるかわからないので、この演習場で実験することにしたのだ。」
エージェントは今までの経験から嫌な予感がしていた。
