ビクトリーラーメンマンシリーズ第12弾 フルーティーな・・・
佐藤さんは再び奥へと進み、今度は何種類かのフルーツが載ったバスケットを持ってきた。
「ん? 今度は酒ではなさそうですね。」
「ふん・・・、まあ食べてみな。」
佐藤さんはマンゴーのようなフルーツを切り分けてくれた。
俺は一切れ口に運んで違和感を覚えた。
「これはフルーツですか? まるごと酒に付け込んでいたような・・・」
フルーツはフルーツだが、どう考えても酒だ・・・。咀嚼するたびにアルコール感が強くなる。
「ふふふ、まあもう1つ食べてみろ。」
今度はライチのようなフルーツを手渡された。大きさはライチの2倍くらいある。
俺は外の皮をはがして、白い実をかじった。
「やはり酒だ・・・」
こちらもフルーツの食感だが、きりっとした味わいの酒感もある。
「これはいったい何ですか・・・」
「ふふふ、俺のとっておきの『酒果実』だ・・・」
「酒果実?」
「そうだ。果実酒は果実を発酵させてつくるだろう。これは、違う。フルーツ自身が酵母を持っている点はワインも一緒だが、違いはフルーツが熟した時点で果肉中にアルコールが形成されるという点だ。つまりは、フルーツそのものが酒ってということさ。」
「ん、酒が収穫できるってことですか。」
「そうだ。食感がフルーツの酒ってことだ。遺伝子工学やら交配やら結構手が掛かってるんだぜ。でも、まさにフルーティーだろ。間違いなく女性受けする。これであんたの上司のおねえちゃんもイチコロだろうよ。」
「イチコロって、別に上司を酔わせてなんかしようとかは考えてないですけどね・・・」
「あー、そうだな。これは俺の願望というか、開発目標だった、ははは。」
酒宴は夜中まで続き、俺はフラフラしながらなんとか調査船に戻って眠りについた。
翌朝、俺は二日酔いで頭が痛い中、課長に報告を入れることにした。課長は相変わらず、フリフリの衣装でスクリーンに映っていた。
「甲斐さん、こんばんは。いや、そっちはおはようだね。何か成果があったぁ?」
「はい、農家、いや酒の研究家の佐藤さんから『酒果実』というのを頂きました。」
「酒果実・・・」
「はい、収穫時点で果肉中にアルコールができるフルーツです。このため、食感は文字通りフルーティーなのに、中身は酒という初めて見るフルーツを開発されていました。」
「フーン、それはすごいわ。是非、食べてみたいわね。」
「佐藤さんも、女性受けを狙って開発したと言っていました。サンプルも余分にもらいましたので冷凍して持ち帰りますね。」
「その佐藤さんがすごいわね。うちに入らないかリクルートかけましょうね・・・」
アイドル課長はフリフリの衣装に似合わず、真顔で何か考え始めたようだった。
「うーん? そうかぁ。なるほどね・・・。
甲斐さんさぁ、それで何か企んでないよねぇ。女の子を酔っぱらわせて何かしようとか・・・」
「・・・」
「冗談よ!」
アイドル課長、するど過ぎる。だてに若くして課長になったわけではない。俺は人事の同期が言っていた、「見た目でだまされないように・・・」という言葉を思い出した。
おしまい
「ん? 今度は酒ではなさそうですね。」
「ふん・・・、まあ食べてみな。」
佐藤さんはマンゴーのようなフルーツを切り分けてくれた。
俺は一切れ口に運んで違和感を覚えた。
「これはフルーツですか? まるごと酒に付け込んでいたような・・・」
フルーツはフルーツだが、どう考えても酒だ・・・。咀嚼するたびにアルコール感が強くなる。
「ふふふ、まあもう1つ食べてみろ。」
今度はライチのようなフルーツを手渡された。大きさはライチの2倍くらいある。
俺は外の皮をはがして、白い実をかじった。
「やはり酒だ・・・」
こちらもフルーツの食感だが、きりっとした味わいの酒感もある。
「これはいったい何ですか・・・」
「ふふふ、俺のとっておきの『酒果実』だ・・・」
「酒果実?」
「そうだ。果実酒は果実を発酵させてつくるだろう。これは、違う。フルーツ自身が酵母を持っている点はワインも一緒だが、違いはフルーツが熟した時点で果肉中にアルコールが形成されるという点だ。つまりは、フルーツそのものが酒ってということさ。」
「ん、酒が収穫できるってことですか。」
「そうだ。食感がフルーツの酒ってことだ。遺伝子工学やら交配やら結構手が掛かってるんだぜ。でも、まさにフルーティーだろ。間違いなく女性受けする。これであんたの上司のおねえちゃんもイチコロだろうよ。」
「イチコロって、別に上司を酔わせてなんかしようとかは考えてないですけどね・・・」
「あー、そうだな。これは俺の願望というか、開発目標だった、ははは。」
酒宴は夜中まで続き、俺はフラフラしながらなんとか調査船に戻って眠りについた。
翌朝、俺は二日酔いで頭が痛い中、課長に報告を入れることにした。課長は相変わらず、フリフリの衣装でスクリーンに映っていた。
「甲斐さん、こんばんは。いや、そっちはおはようだね。何か成果があったぁ?」
「はい、農家、いや酒の研究家の佐藤さんから『酒果実』というのを頂きました。」
「酒果実・・・」
「はい、収穫時点で果肉中にアルコールができるフルーツです。このため、食感は文字通りフルーティーなのに、中身は酒という初めて見るフルーツを開発されていました。」
「フーン、それはすごいわ。是非、食べてみたいわね。」
「佐藤さんも、女性受けを狙って開発したと言っていました。サンプルも余分にもらいましたので冷凍して持ち帰りますね。」
「その佐藤さんがすごいわね。うちに入らないかリクルートかけましょうね・・・」
アイドル課長はフリフリの衣装に似合わず、真顔で何か考え始めたようだった。
「うーん? そうかぁ。なるほどね・・・。
甲斐さんさぁ、それで何か企んでないよねぇ。女の子を酔っぱらわせて何かしようとか・・・」
「・・・」
「冗談よ!」
アイドル課長、するど過ぎる。だてに若くして課長になったわけではない。俺は人事の同期が言っていた、「見た目でだまされないように・・・」という言葉を思い出した。
おしまい
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