ビクトリーラーメンマンシリーズ第12弾 フルーティーな・・・

「甲斐さん、ちょっといいですかぁ~」
 俺が課長のアイドル姿にもようやく慣れてきたころ、課長から呼び出された。
「甲斐さん、実はわたし『フルーティー』っていうアイドルグループもやっているんですよ。それでぇ、っていうわけでもないんですけど、フルーツの栽培で有名なレグラス星で食材調査をしてもらいたいんですよぉ。」
「レグラス星って結構農地開発が進んでいるんで、新しいものが出てきますかねぇ。」
 俺は次の食材調査の計画を練っており、レグラス星も検討していたが新しい食材に巡り合える可能性は低いだろうと判断していた。
「何か新しいフルーツが出れば、タイアップもできるし・・・」
「そういうことですね・・・。じゃ、行ってきます。」
 俺は公私混同じゃないかとも思ったが、ここで反論して自分の立場を悪くする必要はないし、何も出てこなくて元々だ、と割り切ることにした。


 俺は、人呼んで「ビクトリーラーメンマン」。とは言っても別に格闘家ではない。俺は汎銀河コングロマリット「ビクトリー・ラーメン社」の食材調査担当の単なるサラリーマンだ。ビクトリー・ラーメン社は「食」と名のつくものならなんでも扱っている。食品はもちろん、給食用三角頭巾とか、食虫植物なんかも扱っている。そして、人々は我々社員をビクトリーラーメンマンと呼ぶのだ。

 会社支給の調査船は、操縦席、寝室と簡易シャワー室まであり、俺にとっては豪華すぎると言えるだろう。しかし、調査船が大気圏中も移動でき、ホテル代わりにもなることを考えれば、会社としては案外安上がりなのかもしれない。俺はこの調査船で1週間宙航して、レグラス星に到着した。
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