戦いは市立武蔵が丘図書館

 折葉は7階でエレベーターを降りた。7階、8階は通常の閲覧フロアーで、一見9階と同じ様に木に見えるプラスチックの机が並んでいる。ちょっと見ると9階と同じ様な雰囲気だが閲覧者は、全く本を広げておらず、机に埋め込まれた端末を操作している点が決定的に異なっていた。

 閲覧者はタッチパネルを操作しながら、机に表示される紙面の画像を読むことになる。9階や6階と違い、利用料もそう高いものではなく、武蔵が丘図書館のコンピュータが利用できることを考えるとさすがに市立といったところである。

 折葉は、レポートの大部分を自分のコンピュータで作成してきた。そしてほとんど完成といったところまでこぎ着けた。しかし、最後の仕上げには、大型のコンピュータ、つまり大学のメインコンピュータやこの図書館のコンピュータが欠かせなかったのだ。
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