戦いは市立武蔵が丘図書館
閲覧室のフロアーは全部で4フロアーあった。9階は、もっとも簡単な昔ながらの木の机と椅子が並んだマニュアル閲覧フロアーで、閲覧者は書架より読みたい本を持ってきて読むことができる。
しかしながら利用料金はべらぼうに高額で、折葉に手の出るようなものではなく、紙の感触を楽しむための金持ちの道楽か、古物商などの鑑定の参考資料の調査などに使われていた。
というのも、昨今は環境保護の観点から、紙製品には高率の税金が掛けられているため、紙の本は贅沢品であったからだ。学生である折葉などにとっては、昔ながらの読書は望むべくもないものとなっていた。
逆に6階は、最新型の全天ディスプレイ端末となっていた。閲覧者は球形の個室の中で、体全体を使ったゼスチャーをすることにより求める情報に辿りつく。
そして情報は、閲覧者の周囲360度全方向に設けられたディスプレイに表示される。いわゆるバーチャル図書館となっていた。この6階はどちらかというと情報調査のプロ用といった位置付けになっており、9階ほどではないが多少の利用料金を支払わなければならない。
何より、コンピュータにゼスチャーを誤りなく認識させるためには、閲覧者はピッタリしたウエアを持参して着替える必要があり、またゼスチャーを身につける必要もありと、たまにしか図書館を利用しない学生には荷の重い端末であった。
しかしながら利用料金はべらぼうに高額で、折葉に手の出るようなものではなく、紙の感触を楽しむための金持ちの道楽か、古物商などの鑑定の参考資料の調査などに使われていた。
というのも、昨今は環境保護の観点から、紙製品には高率の税金が掛けられているため、紙の本は贅沢品であったからだ。学生である折葉などにとっては、昔ながらの読書は望むべくもないものとなっていた。
逆に6階は、最新型の全天ディスプレイ端末となっていた。閲覧者は球形の個室の中で、体全体を使ったゼスチャーをすることにより求める情報に辿りつく。
そして情報は、閲覧者の周囲360度全方向に設けられたディスプレイに表示される。いわゆるバーチャル図書館となっていた。この6階はどちらかというと情報調査のプロ用といった位置付けになっており、9階ほどではないが多少の利用料金を支払わなければならない。
何より、コンピュータにゼスチャーを誤りなく認識させるためには、閲覧者はピッタリしたウエアを持参して着替える必要があり、またゼスチャーを身につける必要もありと、たまにしか図書館を利用しない学生には荷の重い端末であった。