戦いは市立武蔵が丘図書館

 しかし、折葉の期待は裏切られた。
 「ワークエリアイーターが食われました。」
 「ワークエリアイーター・イーターか。そんなもんまで持っているのか。」折葉は愕然とした。

 ではこちらはワークエリアイーター・イーター・イーターをと言いたいところだが、そんなプログラムは持ち合わせがない。そろそろ折葉は手詰まりとなってきつつあった。

 相手はやる。しかもかなりやる。これは一般企業レベルでないことは明らかである。また、これほど妙に凝ったやつは、公的機関にできるものでもない。

 これは明らかにコンピュータマニアのプログラムである。自分と同等か、それ以上の…。そんなやつが、この武蔵が丘市にいるのだろうか。

 しかも、この図書館で何をやっているのだ。折葉は、敵にちょっと興味が湧いた。「よし」、折葉は1つのアイデアを思いついた。ちょうど敵の攻撃も止んでいる。敵が何者か聞いてやろう。折葉は、次々と指示を入力始めた。
16/23ページ
スキ