グリーンボール

グリーンボール

                                -修.

「地球は青かった。」
 初めて宇宙から地球を見たガガーリンの言葉だ。しかし、この惑星は一見して緑色だ。

 地球には茶色や緑色の大陸もあるし、真っ白な北極や南極もある。青色に見えるのは海だけだ。

 しかし、ここはすべてが緑色・・・。点在する白い雲以外は緑色しか見えない。

 辺境惑星の探査船パスファインダー号が調査に訪れた惑星Q345-73は、事前の無人調査機による光学探査では緑色のスペクトルが異常に多い惑星という調査結果だけが残されていた。

 緑色が多いということは何らかの植物が生えている可能性が高く、今後の人類の移住先の候補になりえるかもしれない。このため、この惑星は今回の有人調査の対象の一つとなっていた。

「シュミット船長、見る限り緑色ですね。」
「そうだな・・・」
 シュミットはこの調査船の船長であるとともに惑星調査団の団長でもある。部下の言葉にシュミットはうなずくしかなかった。

 赤道から両極まですべて緑色・・・。そんなことがあるだろうか。惑星Q345-73は地球と同じほどの大きさで、太陽と同等レベルの恒星の周りをほぼ1年周期で公転している。地球と違う点は自転軸がほぼ垂直ということぐらいだ。地球と同じような生い立ちの惑星であれば、大陸もあれば、海洋もあるはずだ。しかし、この惑星には何もない。

「光学探査の結果はどうだ?」
「はい、船長。詳しくは見えませんが、地表にはあまり凹凸もないようです。言ってみれば緑色のボールですね。」
「ふん、衛星軌道からでは限界があるな・・・」
「船長、地表探査機で調査に行きますか?」
「そうだな。しかし、有人探査は止めておこう。遠隔操作にしてくれ。」
「了解しました。」
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