妖精乱舞
妖精乱舞
-修.
俺はキャンパスを飛び出し、近くの駅へとダッシュしていた。
そして、ふと横を見ると妖精が並んで飛んでいた。
ハーフのような顔立ち、ブロンドの髪、レースのようなふわっとした、グリーンの短めの丈のドレス、編上げの白いサンダル、そして申し訳程度の小さな羽、まさにアニメに出てくるような姿だ。なぜか、つかず離れず、俺の横をすぅーっと優雅に飛んでいる。
幻にしてははっきり見え過ぎている。妖精って本当にいるんだな、俺は足を止めることなく思った。
妖精を見かけるといいことがあると、まことしやかに語られている。しかし、この全力で走っている現状自体、決していい状況とは言えない。
そもそも俺が今ダッシュすることになったのは、教授のせいだ。切りのいいところまでやっておきましょうと15分も講義が伸びた。本来なら歩いて十分電車に間に合うはずだったのに・・・。
よりによって、今日は父親の再婚相手と初顔合わせをする日だ。遅れるわけにはいかないのに・・・。
8年前に病気で母親を亡くして以来、父親は一人で俺を育ててくれた。父親は俺に気を使って一生独身でいるつもりだったようだ。しかし、俺は苦労を掛けた父親を申し訳なく思い、大学に入ったころから父親に再婚を勧めていた。父親は結婚相談所に登録し、今回、めでたくゴールインとなったそうだ。
俺は腕時計でかなり時間が厳しいことを改めて確認した。このままだと、発車時刻に30秒くらい遅れそうだ。俺はさらに足を速めた。
そして遂に駅に到着し、構内に入ると電光掲示板には、なんと5分遅れの表示が出ていた。
「間に合った!」
なんというラッキー。もっとも、このまま電車の遅れが増えていくと、結局顔合わせの時間には間に合わないことになるが、とりあえず予定の電車には乗ることはできる。
もしや、これは先ほど見た妖精のおかげかもしれない、俺は閉じた自動ドアの横で息を切らしていた。
俺は父親の経済的負担を少しでも減らすため、頑張って勉強して、自宅から電車で3駅の公立大学になんとか入ることができた。父親は仕事で遅くなることも多いため、俺は講義が終わると友達と別れてまっすぐ家に帰り、晩飯を作ったり、洗濯したりと家事もかなりやっている。
父子家庭の学生に、楽しいキャンパスライフは望むべくもない。しかし、唯一、学園祭のときだけは、父親に断って、友達と一日中遊びまくることにしている。去年の学園祭は恒例のキャンパスコンで盛り上がっていた。大学は総合大学であり、在席人数も多い。その中から選りすぐりの男女がナンバー1を競う。
俺の通う学部は男ばっかりで色気がないため、別の学部の女子学生を見られるキャンパスコンはささやかな楽しみだった。そういえば、昨年優勝した1回生のミスキャンパスはかなりかわいかった。サークルにでも入れば、ああいう女の子とも知り合いになれるのだろうか・・・。
遅れを取り戻すため、いつもより速度を上げた電車は、ほぼ定刻通りに自宅近くの駅に着いた。
-修.
俺はキャンパスを飛び出し、近くの駅へとダッシュしていた。
そして、ふと横を見ると妖精が並んで飛んでいた。
ハーフのような顔立ち、ブロンドの髪、レースのようなふわっとした、グリーンの短めの丈のドレス、編上げの白いサンダル、そして申し訳程度の小さな羽、まさにアニメに出てくるような姿だ。なぜか、つかず離れず、俺の横をすぅーっと優雅に飛んでいる。
幻にしてははっきり見え過ぎている。妖精って本当にいるんだな、俺は足を止めることなく思った。
妖精を見かけるといいことがあると、まことしやかに語られている。しかし、この全力で走っている現状自体、決していい状況とは言えない。
そもそも俺が今ダッシュすることになったのは、教授のせいだ。切りのいいところまでやっておきましょうと15分も講義が伸びた。本来なら歩いて十分電車に間に合うはずだったのに・・・。
よりによって、今日は父親の再婚相手と初顔合わせをする日だ。遅れるわけにはいかないのに・・・。
8年前に病気で母親を亡くして以来、父親は一人で俺を育ててくれた。父親は俺に気を使って一生独身でいるつもりだったようだ。しかし、俺は苦労を掛けた父親を申し訳なく思い、大学に入ったころから父親に再婚を勧めていた。父親は結婚相談所に登録し、今回、めでたくゴールインとなったそうだ。
俺は腕時計でかなり時間が厳しいことを改めて確認した。このままだと、発車時刻に30秒くらい遅れそうだ。俺はさらに足を速めた。
そして遂に駅に到着し、構内に入ると電光掲示板には、なんと5分遅れの表示が出ていた。
「間に合った!」
なんというラッキー。もっとも、このまま電車の遅れが増えていくと、結局顔合わせの時間には間に合わないことになるが、とりあえず予定の電車には乗ることはできる。
もしや、これは先ほど見た妖精のおかげかもしれない、俺は閉じた自動ドアの横で息を切らしていた。
俺は父親の経済的負担を少しでも減らすため、頑張って勉強して、自宅から電車で3駅の公立大学になんとか入ることができた。父親は仕事で遅くなることも多いため、俺は講義が終わると友達と別れてまっすぐ家に帰り、晩飯を作ったり、洗濯したりと家事もかなりやっている。
父子家庭の学生に、楽しいキャンパスライフは望むべくもない。しかし、唯一、学園祭のときだけは、父親に断って、友達と一日中遊びまくることにしている。去年の学園祭は恒例のキャンパスコンで盛り上がっていた。大学は総合大学であり、在席人数も多い。その中から選りすぐりの男女がナンバー1を競う。
俺の通う学部は男ばっかりで色気がないため、別の学部の女子学生を見られるキャンパスコンはささやかな楽しみだった。そういえば、昨年優勝した1回生のミスキャンパスはかなりかわいかった。サークルにでも入れば、ああいう女の子とも知り合いになれるのだろうか・・・。
遅れを取り戻すため、いつもより速度を上げた電車は、ほぼ定刻通りに自宅近くの駅に着いた。
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