ウイング・シンドローム
ウイング・シンドローム
-修.
「眠い、どう考えても寝足りない。しかし・・・」
俺はアラームを止めることなく、全力を振り絞ってベッドから飛び降りた。もし、ベッドに寝転んだままアラームを止めてしまえば、再び深い眠りについてしまうことだろう。それでは、美咲ちゃんとの朝食をすっぽかしてしまうことになる。なんとしても起きなければならない。
データセンターを制御する3台のコントローラのうちの1台の復旧は、俺の会社にとって最優先事項だった。もし、データセンターが止まってしまえば、俺の会社は一気に倒産するだろう。俺と同僚2人はデータセンターに泊まり込み、寝る間も惜しんで休みなくコントローラの仕様書と操作画面を眺めながら対策を施してきた。
故障が発覚したのは先週の日曜日の朝、美咲ちゃんとのデートの日・・・。しかし、そんなことはお構いなく、部長からの電話で、いきなりの休日出勤となった。
美咲ちゃんには謝罪のメッセージを送ってそのままとなっている。美咲ちゃんとは合コンで意気投合して、先週の日曜日が3回目のデートの予定だった。付き合い始めの大事な時期なのに、よりによって・・・。
復旧はままならず、まるまる1週間を費やし、土曜日の夜、ようやく解放された。俺は、美咲ちゃんに「お詫びに、明日一緒に朝食でも・・」とメッセージを送り、アラームを掛け、ビールを一口飲んだ瞬間、ベッドに倒れ込んでしまった。1週間の激務は想像以上に体を疲弊させていたようだった。
おれは朦朧とした頭で、目をこすりながらスマホを開いた。スマホには、美咲ちゃんから「お仕事、お疲れ様、朝食OK」とのメッセージが入っていた。
良かった。先週の約束をすっぽかしたが、まだ見捨てられてはいなかったようだ。俺は、シャワーを浴び、身支度を整え、待ち合わせ場所である、近所の、少し大きな公園へと歩いて行った。美咲ちゃんは隣町に住んでおり、出かけるときの待ち合わせは公園のベンチと決めていたのだ。
俺は公園のベンチに座り、目をこすりながら辺りを見渡した。目を酷使しすぎたせいか、疲労がすごい。世間がぼやけて見える。しかし、日曜の朝にしては人影が少ないような気がする。いつもなら、ジョギングや散歩をする人、親子連れなどでもう少しにぎわっているのだが・・・。
疲れていて地面ばかり見て歩いてきたが、そういえば今日は曇りだ。雨でも降るのだろうか・・・。俺は久しぶりに空を見上げた。空はどんよりとした雲に覆われて、その下をたくさんの鳥が飛び交っていた。
あまり羽ばたいていないところを見ると、カラスか、トンビか、大型の鳥だろうか。しかし、この辺、こんなに鳥がいたかな。俺には相変わらずぼやけた視界に目を凝らした。
すると、1羽の鳥がこちらに近づいてきた。そして、その姿はだんだん大きくなり、ついには俺の前に降り立った。そして、それは美咲ちゃんだった。
-修.
「眠い、どう考えても寝足りない。しかし・・・」
俺はアラームを止めることなく、全力を振り絞ってベッドから飛び降りた。もし、ベッドに寝転んだままアラームを止めてしまえば、再び深い眠りについてしまうことだろう。それでは、美咲ちゃんとの朝食をすっぽかしてしまうことになる。なんとしても起きなければならない。
データセンターを制御する3台のコントローラのうちの1台の復旧は、俺の会社にとって最優先事項だった。もし、データセンターが止まってしまえば、俺の会社は一気に倒産するだろう。俺と同僚2人はデータセンターに泊まり込み、寝る間も惜しんで休みなくコントローラの仕様書と操作画面を眺めながら対策を施してきた。
故障が発覚したのは先週の日曜日の朝、美咲ちゃんとのデートの日・・・。しかし、そんなことはお構いなく、部長からの電話で、いきなりの休日出勤となった。
美咲ちゃんには謝罪のメッセージを送ってそのままとなっている。美咲ちゃんとは合コンで意気投合して、先週の日曜日が3回目のデートの予定だった。付き合い始めの大事な時期なのに、よりによって・・・。
復旧はままならず、まるまる1週間を費やし、土曜日の夜、ようやく解放された。俺は、美咲ちゃんに「お詫びに、明日一緒に朝食でも・・」とメッセージを送り、アラームを掛け、ビールを一口飲んだ瞬間、ベッドに倒れ込んでしまった。1週間の激務は想像以上に体を疲弊させていたようだった。
おれは朦朧とした頭で、目をこすりながらスマホを開いた。スマホには、美咲ちゃんから「お仕事、お疲れ様、朝食OK」とのメッセージが入っていた。
良かった。先週の約束をすっぽかしたが、まだ見捨てられてはいなかったようだ。俺は、シャワーを浴び、身支度を整え、待ち合わせ場所である、近所の、少し大きな公園へと歩いて行った。美咲ちゃんは隣町に住んでおり、出かけるときの待ち合わせは公園のベンチと決めていたのだ。
俺は公園のベンチに座り、目をこすりながら辺りを見渡した。目を酷使しすぎたせいか、疲労がすごい。世間がぼやけて見える。しかし、日曜の朝にしては人影が少ないような気がする。いつもなら、ジョギングや散歩をする人、親子連れなどでもう少しにぎわっているのだが・・・。
疲れていて地面ばかり見て歩いてきたが、そういえば今日は曇りだ。雨でも降るのだろうか・・・。俺は久しぶりに空を見上げた。空はどんよりとした雲に覆われて、その下をたくさんの鳥が飛び交っていた。
あまり羽ばたいていないところを見ると、カラスか、トンビか、大型の鳥だろうか。しかし、この辺、こんなに鳥がいたかな。俺には相変わらずぼやけた視界に目を凝らした。
すると、1羽の鳥がこちらに近づいてきた。そして、その姿はだんだん大きくなり、ついには俺の前に降り立った。そして、それは美咲ちゃんだった。
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