サルベイジャー

 巧がハンディライトで帰る方向を照らすと、そこには爆発で落盤した壁面に空洞ができていた。
「これは何か、駅の電気室のようなものか・・・」
 巧はハンディライトを照らしながら、現れた小さな部屋へ向かった。
「おっっと・・・・」
 巧は一瞬後ろに飛びのいた。そこには全長2mほどのAI兵器らしきものが横たわっていた。しかし、よく見ると動いていない。
「いや、どうやら死んでいるようだな・・・。しかし、見たことのない形状だな・・・。武器らしきものも見当たらないが・・・。」
 AI兵器は4脚型で胴体の上部にはセンサー類らしきものが並んだ50cmほどのドーム状の頭部が付いている。レールガンもニードルレーザーもロケットランチャーも見当たらない。

「兵器ではないAIロボットということか・・・」
 よく見ると胴体にはレーザー痕とおぼしき貫通孔が開いている。
「動力を撃ち抜かれて、この部屋に逃げ込んだところで力尽きたってところかな・・・」
 しかし、レーザー痕以外には破損が見られない。
「これはもしや・・・」
 巧には既に金の匂いしかしていなかった。巧は工具を取り出し、AIロボットの頭部の分解を始めた。

「うーん?」
 巧は、AIロボットの頭部から取り出した、見慣れない制御ユニットを眺めた。今まで見てきた、どの制御ユニットとも違う。これは何だろう。何か新型に違いない。もともと兵器でもなさそうだし・・・。これを持って帰ればかなり高く売れる可能性がある。少なくとも、ありきたりな脚部や胴体よりは高いだろう。持ち帰るのも楽だ。何より、制御ユニットであれば、この後、AI兵器に遭遇しても攻撃される心配をしなくていい。

「しかし、気になる・・・。こいつは何者なのだ?」
 巧は金儲け以前に、初めて見たAIロボットの用途が気になって仕方がなかった。兵器がついていないAIロボットとは何なのか。

「そうだ!」
 巧は振り返って、コンクリートが直撃して頭部のつぶれたAI兵器を見た。あっちの胴体は無傷じゃないか。幸い、目の前のAIロボットの頭部は無傷だし、技術資産互換性保護原則のおかげで、頭部を引っこ抜いて、向こうのAI兵器の胴体に着ければ復活するのではないか。もし復活したとしても、この頭部に兵器はないのでいきなり射撃されることはないだろう。そもそも今は自分が兵器を持っていないので、射撃される理由もない。

 AIロボットは動力が尽きる前にデータを消去しているはずなので、軍事目的とか秘密情報は聞き出せないだろうが、自分が何者かくらいは分かるのではないだろうか。
6/13ページ
スキ