サルベイジャー

 巧はびくびくしながらも歩を進め、地下鉄駅の空間にたどり着いた。
「ようやく半分くらい戻って来たかな・・・」
 そして、巧が小型レールガンの入った袋をおいて、小休止しようと近くの瓦礫に腰かけた瞬間、AI兵器特有のヒューンというモーター音が聞こえ出した。しかも、かなり近い。

「まずい・・・」
 巧は即座に前のめりにその場に突っ伏し、同時に死を覚悟した。直後、辺りは閃光に包まれ、爆発音が地下に轟いた。
「やられたか・・・」
 巧が目を開けると周りは爆煙に包まれて、一切視界が効かなかった。耳鳴りもひどい。しかし、手足は動き、体に痛いところはなかった。

 巧が、瓦礫の向こうに手を伸ばし、小型レールガンの入った袋を手探りで探してみたが、そこには何もない空間しかなかった。AI兵器は小型レールガンの方が重要と判断し、小型レールガンを狙って小型のロケット弾を撃ってきたようだ。どうやら少し離れた位置に座っていたのが幸いし、突っ伏したときは瓦礫が防護壁になって直撃を免れたということだろう。しかし、危険が去ったわけではない。まだ、巧は攻撃対象となっているかも知れない。

 巧は周りが見えないまま、小型レールガンを置いた場所とは反対の方向へ転がって逃げ、息をひそめた。しばらくして、爆発による耳鳴りは収まってきたが、AI兵器のモーター音はしていなかった。当面の目標破壊は達成したため、こちらの出方をうかがっているのか・・・。AI兵器の赤外線センサーはすでに復活しているはずだが・・・。

 巧は動かないまま、さらに時間が経過した。そして、爆煙が収まり、視界が戻ってくると、巧は驚きの光景を目にした。
 ロケット弾を発射したのは、全長4mはあろうかという6本脚の大型のAI兵器だった。そして、ロケットランチャーと制御ユニットを収めた直径1mほどの頭部が大破していた。どうやら、爆発の衝撃で天井が落盤し、コンクリート片が頭部を直撃したようだった。

「命拾いしたな・・・」
 巧は胸をなでおろした。小型レールガンは破壊されたが、運よく命は助かったようだ。AI兵器の頭部はつぶれているため制御ユニットは絶望的だし、全体が大きすぎるため持って帰れそうなユニットもなさそうだ。巧は、あきらめて手ぶらで帰らざるを得なかった。
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