ショートテレポーター
そうこうしながら、ある日、俺は、昼からの大学の授業に向かうため、国道を超える歩道橋に近づいていた。そして歩道橋の向こうからは、白いワンピースに日傘を差した同世代らしき女性が歩いてきていた。ノートらしきものの見える大きなトートバックを持っているところを見ると、俺と同じ大学の学生のようだ。
俺は理系のため、女っ気のないキャンパスライフを送っていた。授業のコマ数は多いわ、予習は必要だわ、課題は出るわで、日常結構忙しい。何か女の子と一緒にできるようなサークルなり、バイトなりすればいいのかもしれないが、そちらが本業になり大学を去る奴も結構見てきたので、そこに踏み込むのもはばかられた。
たぶん、向こうは文系の学生なのだろう。理系と違って男女半々だろうから、文系の男性はまた違ったキャンパスライフを送っていることだろう。
俺はいつもの不公平感をなげきつつ、先に階段に達して俺から10mほど先を上り始めた女性の後姿を見つめていた。そして、女性が中段に差し掛かったそのとき、前から突風が吹いて、日傘が煽られ、女性はバランスをくずした。このままだと、後ろ向きに階段を落ちていくことになる・・・。
俺はとっさに彼女のすぐ後ろにテレポートして、彼女を無事に受け止めることに成功した。
「大丈夫ですか・・・」
「すみません、助かりました。死ぬかと思いました。」
「すぐ後ろにいたので・・・」
本当はうそだが、真実を話すようなシチュエーションでもない。
「良かったら、学食で一緒にお昼でもどうですか。お礼におごりますよ・・・」
「はぁ、では・・・」
妖精は、このたった1回のチャンスのためにテレポート能力を与えてくれたのかもしれない。俺は妖精に感謝しつつ、彼女と並んで歩道橋の上を歩きだした。
おしまい
俺は理系のため、女っ気のないキャンパスライフを送っていた。授業のコマ数は多いわ、予習は必要だわ、課題は出るわで、日常結構忙しい。何か女の子と一緒にできるようなサークルなり、バイトなりすればいいのかもしれないが、そちらが本業になり大学を去る奴も結構見てきたので、そこに踏み込むのもはばかられた。
たぶん、向こうは文系の学生なのだろう。理系と違って男女半々だろうから、文系の男性はまた違ったキャンパスライフを送っていることだろう。
俺はいつもの不公平感をなげきつつ、先に階段に達して俺から10mほど先を上り始めた女性の後姿を見つめていた。そして、女性が中段に差し掛かったそのとき、前から突風が吹いて、日傘が煽られ、女性はバランスをくずした。このままだと、後ろ向きに階段を落ちていくことになる・・・。
俺はとっさに彼女のすぐ後ろにテレポートして、彼女を無事に受け止めることに成功した。
「大丈夫ですか・・・」
「すみません、助かりました。死ぬかと思いました。」
「すぐ後ろにいたので・・・」
本当はうそだが、真実を話すようなシチュエーションでもない。
「良かったら、学食で一緒にお昼でもどうですか。お礼におごりますよ・・・」
「はぁ、では・・・」
妖精は、このたった1回のチャンスのためにテレポート能力を与えてくれたのかもしれない。俺は妖精に感謝しつつ、彼女と並んで歩道橋の上を歩きだした。
おしまい
2/2ページ
