ショートテレポーター
ショートテレポーター
-修.
妖精は見晴らしのいい公園のベンチに座っていた。
小学生ほどの背丈、ハーフのような顔立ち、ブロンドの髪、レースのようなグリーンのふわっとした服、編上げの白いサンダル、そして申し訳程度の小さな羽・・・。
子供がコスプレしているのか?しかし、周りには誰もいない。こんな子供が人知れずコスプレしているということがあるだろうか。
あるいは、何かのドッキリか。しかし、俺にドッキリを仕掛ける意味があるのか・・・。
俺は大学の試験が午前中に終わったので、近くの見晴らしのいい公園のベンチでコンビニおにぎりを食べようとしていた。そして、ふと、10mほど離れたベンチを見ると、なぜか、そこには妖精がいた。しかも、こちらに来いと言わんばかりに、俺を手招いている。
俺はあまりの違和感に完全に固まっていた。なぜ、妖精・・・。試験疲れで幻を見ているのか・・・。俺は立ち上がって隣のベンチに行くべきか、どうするか悩みながら妖精を見つめた。
しかし、次の瞬間、俺が見ている景色が突然変わった。何が起きたのかと、俺はあたりを見渡した。そして、俺は10mほど先にコンビニの袋が置いてあるベンチを見つけた。どうやら、俺は妖精が居たベンチにテレポートしてしまったようだ。
ということは、俺は妖精と並んで座っているということだろうか。俺は、隣を見たが、妖精はどこにもいなかった。そして、再び、先ほどまで座っていたベンチを見ると、そこでは再び妖精が手招いていた。
来いということなのだろうな、と俺は直感し、再び妖精を見つめた。次の瞬間、俺は再びテレポートしていた。しかし、その後は二度と妖精が現れることはなかった。いったい、何だったのだろう。
妖精が現れると幸運なことが起こる、という噂を聞いたことがある。もしかすると妖精は俺にテレポートの仕方を教えてくれたのではないか。いや、それとも俺自身にテレポート能力が元々あって、それに気づかせてくれたということか。いずれにしろ、この能力が何か幸運をもたらしてくれるのだろうか。
妖精に出会ってからしばらく、俺は人のいない公園で密かにテレポート能力の研究を続けた。その結果、1回でテレポートできる距離は、目視で飛び先の状況が確認できる20m程度、結構な集中力が必要なため連続して飛べるのは2、3回ということが判った。それと、慣性が残るため、走りながら飛ぶと、飛んだ先でも走った状態で出現する。また、空中にテレポートすると、出現した瞬間から落ち始めるが、すぐに地面にテレポートしても下向きの速度は保ったままなので、着地時の衝撃は結構ある。空中高くに出現して、次のテレポートに手間取ると骨折、悪くすると死んでしまうかも知れない。
結構、制約が多い。妖精はすごい能力を与えてくれたとは思うが、これが何か幸運を呼び込んでくれるのだろうか。
アメコミのヒーローみたいにビルからビルに飛び移るのも結構なリスクだし、連続2,3回しか飛べないのではどうしようもない気がする。飛び先さえ見えていれば、テレポートできるため、ガラス張りの店舗内にテレポートして泥棒することは可能かもしれない。しかし、店内や外が暗いと飛び先が見えないため、昼間にしか犯行に及べないとなると、すぐに捕まりそうな気がする。
「うーん、つくづく使い道が判らん・・・」、最近、何度繰り返しただろう・・・。
-修.
妖精は見晴らしのいい公園のベンチに座っていた。
小学生ほどの背丈、ハーフのような顔立ち、ブロンドの髪、レースのようなグリーンのふわっとした服、編上げの白いサンダル、そして申し訳程度の小さな羽・・・。
子供がコスプレしているのか?しかし、周りには誰もいない。こんな子供が人知れずコスプレしているということがあるだろうか。
あるいは、何かのドッキリか。しかし、俺にドッキリを仕掛ける意味があるのか・・・。
俺は大学の試験が午前中に終わったので、近くの見晴らしのいい公園のベンチでコンビニおにぎりを食べようとしていた。そして、ふと、10mほど離れたベンチを見ると、なぜか、そこには妖精がいた。しかも、こちらに来いと言わんばかりに、俺を手招いている。
俺はあまりの違和感に完全に固まっていた。なぜ、妖精・・・。試験疲れで幻を見ているのか・・・。俺は立ち上がって隣のベンチに行くべきか、どうするか悩みながら妖精を見つめた。
しかし、次の瞬間、俺が見ている景色が突然変わった。何が起きたのかと、俺はあたりを見渡した。そして、俺は10mほど先にコンビニの袋が置いてあるベンチを見つけた。どうやら、俺は妖精が居たベンチにテレポートしてしまったようだ。
ということは、俺は妖精と並んで座っているということだろうか。俺は、隣を見たが、妖精はどこにもいなかった。そして、再び、先ほどまで座っていたベンチを見ると、そこでは再び妖精が手招いていた。
来いということなのだろうな、と俺は直感し、再び妖精を見つめた。次の瞬間、俺は再びテレポートしていた。しかし、その後は二度と妖精が現れることはなかった。いったい、何だったのだろう。
妖精が現れると幸運なことが起こる、という噂を聞いたことがある。もしかすると妖精は俺にテレポートの仕方を教えてくれたのではないか。いや、それとも俺自身にテレポート能力が元々あって、それに気づかせてくれたということか。いずれにしろ、この能力が何か幸運をもたらしてくれるのだろうか。
妖精に出会ってからしばらく、俺は人のいない公園で密かにテレポート能力の研究を続けた。その結果、1回でテレポートできる距離は、目視で飛び先の状況が確認できる20m程度、結構な集中力が必要なため連続して飛べるのは2、3回ということが判った。それと、慣性が残るため、走りながら飛ぶと、飛んだ先でも走った状態で出現する。また、空中にテレポートすると、出現した瞬間から落ち始めるが、すぐに地面にテレポートしても下向きの速度は保ったままなので、着地時の衝撃は結構ある。空中高くに出現して、次のテレポートに手間取ると骨折、悪くすると死んでしまうかも知れない。
結構、制約が多い。妖精はすごい能力を与えてくれたとは思うが、これが何か幸運を呼び込んでくれるのだろうか。
アメコミのヒーローみたいにビルからビルに飛び移るのも結構なリスクだし、連続2,3回しか飛べないのではどうしようもない気がする。飛び先さえ見えていれば、テレポートできるため、ガラス張りの店舗内にテレポートして泥棒することは可能かもしれない。しかし、店内や外が暗いと飛び先が見えないため、昼間にしか犯行に及べないとなると、すぐに捕まりそうな気がする。
「うーん、つくづく使い道が判らん・・・」、最近、何度繰り返しただろう・・・。
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