虹の贈り物

 ルーリは、1週間ほどまえに開かれた市で偶然このカードを手に入れたのであった。ルーリはカードの模様を見つめながら前回の市のことを思い浮かべた。

 市が開かれるときルーリの父親は家で作った野菜や山羊の乳で作ったチーズなどをロバの引く荷車にいっぱい載せて、凸凹道を4時間程かけて町に売りに行く。

 そしてそれらを売ったお金で、村では手に入らない雑貨や薬草、本などを買い込んで帰ってくるのだった。そしてルーリも手伝いという名目で荷車の一番後ろに座って足をぶらぶらさせながら町へ出かける。

 村の友達もいつも2、3人便乗している。しかし、ルーリも友達もみんなわずかの小遣いを親からもらって、何か珍しいものはないか、うまそうなものはないかと店々をまわるだけで、手伝いらしいことは何もしないのが常だった。
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