虹の贈り物

 ルーリはカードの向きを変えたり、表面をシャツの袖で拭ったりしてカードの輝きがもっと強く見えるようにしたり、裏返して表面を覗き込んだりした。

 カードの表側は光を反射して虹色に輝き、裏側には意味不明の模様が浮かんだり、消えたりした。そしてその模様は同じこともあり、違うこともあったし、また時間が経つにつれて変わったりもした。それは意味があるようにも見えるし、ないようにも見える。最近ルーリはこの草原に着くと、寝転んでこのカードを見て時を過ごした。

 ルーリの父親はカードを見て「これはどこか遠い星で使われていたものだろうな。何かはわからないが…。」と言っていた。文明から遠く離れた場所で生まれ、暮らしているルーリにとって、そのカードはもの珍しいというより、むしろ神秘的でさえあった。
4/47ページ
スキ