虹の贈り物

 また、アカバの想像をはるかに超えてシャトルは頑丈にできていた。ほとんどの場合、シャトルが使われるのは目的地への到達した時だけなので、操縦するのは必然的に3世の乗組員である。

 すなわち3世の乗組員とは間違いなく初心者である。従って、シャトルは初心者が多少のミスをしても、あるいは荒っぽく扱われてもびくともしないように作られていた。ただし、コンピューターが正常に動いていればという条件はつくが。

 「さて、これからどうしようか…。アカバ、モニターには都市か道路が見えなかったか?」
 「いや、何も見えなかった。雲もかかっていたし、まわりは緑の丘ばかりのようだった。」

 二人は黙り込んだ。いくら無事に着陸できても、植民星CDF294の代表と連絡が取れなければ何の意味もない。かなりの沈黙の後、シリウスが口を開いた。

 「じっとしていても仕方ないんだ。もう一回上空から都市を探したらどうだ。母船の移動変更リミットまで45時間、俺達の離陸リミットまで後27時間しかないんだ。早く行こうぜ。」

 アカバはうなずきつつも、先程の間一髪の着陸が思い出されて仕方なかった。
 「離陸は比較的簡単にできると思うが、もう一度着陸できるかな。さっきのでもかなりのダメージを受けているのではないだろうか。大気圏を離脱したら、空気漏れでアウトというのも困るし…。」
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